バカとリフレと召喚戦争

 発災から3年9ヶ月が経過したので、日銀副総裁(プロパー)や仙台支店長を始めとして、被災地復興において金融政策の状況を直に足を運ばれ調査していったことはあまり知られていないことなのかもしれません。また、財務省関東財務局金融監督官が被災地を調査に入るなど異例の体制をもって被災地復興に尽力されております。
 日銀副総裁(リフレ派)と違い被災地へ足など運ぶなど恐れ多い学者の皆様と違い日銀プロパーの真摯な対応に感謝いたします。懇談での内容によっては厚生労働省の担当局長を直に被災地の対応に足を運ばせるなど世間一般で走られていない活動を行っている事実は宣伝されない事であります。霞が関のキャリア官僚と言えど必要がありまた他の養成があれば迅速に対応しているのです。ただ、システムとしてそれが動くためには様々な調整があります。

 政府、日銀、財務省金融庁中小企業庁並びに各政党にわたりグループ補助金における住宅ローン時の契約約款問題(根抵当権設定)に関しては多大なる調整により、可能となるなど、日銀副総(プロパー)を始めとし被災地復興が進むための諸問題を解決して頂いております。とかくリフレ派から目の敵にされる被災地復興並びに財務省・日銀てはありますが、確実に被災地と向き合いながら業務をこなしている事実は何故かあまり取り上げられないのはさびしい限りです。

財政政策の実現性
 マシナリさんもお元気そうで何よりですが、今回はクルーグマンを召喚しております。リフレ派が召喚しているクルーグマンの変遷について纏められており大変参考になります。
 クルーグマンが安倍首相と会談させた本田内閣府参与は大変リフレ派から熱い支持を受けたわけですが、クルーグマンの来日は「証券業界」からの要請に基づいた講演を名目として会談させたのはステークホルダー(利害関係者)と言うより、クローニーキャピタリズム(仲間内資本主義)の方が強いと感じる設定でした。不思議なことに消費税増税による社会保障の充実を訴えると、クローニーキャピタリズム(仲間内資本主義)を喧伝して叩くのが流行るなど不思議な見世物が続きました。
 マクロ経済で中立となるものが何故か「消費税税収消滅説」によって物理的、法的なものを含め存在が無くなるという不思議な理論に拠っているからなのだと思います。また、このような消滅理論に縋っているからこそデフレスパイラルが起きやすいのかもしれません。

 マシナリさんのエントリーで気になったのはここですが、

まあアメリカン・ケインジアンクルーグマンからすれば、健康保険が国民皆保険となっている日本はすでに再分配が充実しているように見えるのかもしれませんし、日本の再分配なんかよりオバマケアの方がはるかに大事だろうとは思います。しかしだからこそ、そのクルーグマンが日本の再分配の財源確保の延長を提言するというのはあまりに軽はずみな態度であって、それが現実の政策決定に一定の影響を与えたのであれば、クルーグマンの罪は決して軽くないだろうと思うところです。

改革反対の民主党

医療改革の第一の目標は、米国人が必要な医療を受けられるようにすることであり、それはかなり順調に進んでいます。

また、オバマケアが提供する保障の一部は僕らが求めるかもしれないだけの保障を与えてくれないものの、新規加入者の圧倒的大多数はその内容に喜んでいることがギャラップの最近の世論調査からもわかっています。

コストはどうでしょう?
保険料は高騰すると予測した人は沢山いました。
でも、保険会社に有意義な競争をさせようとする医療改革の努力は、ほぼ全ての人(僕も含みます)の予測を上回る成果を上げています。
2014年度の保険料は予想を大きく下回っていますし、独立系の予測によれば2015年度の平均保険料も非常に僅かな上昇(4%かそれ以下)に留まるとされています。

要するに、オバマケアは米国人の生活を改善するためのものだとお考えなら、非常に上手くいっているわけです。
しかし、言うまでもなく、民主党にとって政治的成果とはなっていません。

 クルーグマンが日本の社会保障や維持するための消費税についてどの程度の知見を有するかは甚だ疑問です。そういう人を召喚しては、「リフレ政策は間違っていない」、「リフレ政策は左派の政策だ」というのは見当違いも甚だしいと感じます。ただ、旧HALTANさんが見捨てたように彼らには政策の議論をする素養自体がないのだろうとは被災後の態度によって感じるところです。

まず最初に、殆どの米国人はメディケア、メディケイド、雇用ベースの健康保険に加入しているのは本当ですが、だからといって今保険に未加入の人だけが高過ぎない保険料を保証するオバマケアの恩恵を受けるというわけではありません。
今はしっかりした保険に入っているかもしれませんが、解雇されたり会社が倒産したり、はたまた保険を解約したりしたらどうなるでしょう?
また、何かの理由で転職したいけど、保険に加入出来る職が見つからないとしたら?


大事なのは、オバマケア以前の制度では沢山の米国人が常に保険未加入になる危険性にさらされていたことです。
どんな時も更に多くの人が保険未加入でしたし、更に数百万人は雇用の自由も制限されていました。
ですから、医療改革は今未加入の人よりも遥かに多くの国民を助けているのです…また、その恩恵を得る人々には親戚や友人がいます。
これは小規模なマイノリティに的を絞った政策ではありません。

 リフレ派は簡単に「BI(ベーシックインカム)、給付金」を唱えて召喚させようとしますが、召喚にはそれだけの魔力(MP)が必要なのにまるでベビーサタンイオナズン→MPが足りない」を繰り返すリフレ派の様はどうにもなりませんね。
 「土建供給制約ガー」「マンデルフレミングガー」「クラウディング・アウト」等も同様で唱えれば「逃げ出す」を選択してくれるとでも思っているんでしょうね。

建設総合統計は加工推計値/実態の進捗は把握できず/未消化工事高 誤解の“報道”/国交省、業界内で強い反発20140919建設通信

 国土交通省の建設総合統計データを使い、公共工事を受注したにもかかわらず、人手不足によって工事が進んでいないという報道が一部でなされたことに対し、建設業団体などから疑問の声が上がっている。あらかじめ決められた進捗率を掛けて、月々の出来高を推計する建設総合統計は、実態の工事進捗を表すものではない。そのデータを背景に、あたかも建設企業が受注した工事をうまく進められていないとの印象を与える報道には、国交省や業界内で強い反発が広がりつつある。

 建設総合統計は、国交省が毎月発表している建築着工統計調査と建設工事受注動態統計調査の数値をベースに、工種ごとに設定された進捗率を掛けることで各月の出来高、手持ち工事高を算出する加工統計。建設工事がどの程度進捗しているかを“推計”するツールで、景気動向などの経済統計において、建設工事の影響度合いを補完的にとらえるために活用される。

 例えば、4月に着工した工事が実際にどこまで進んでいるのかといったことは、このデータから把握することはできない。これを引き合いに、人手不足などによって工事が思うようにできていないという一部報道は、明らかなミスリードと言える。国交省内からも「かなり乱暴な論調」と否定的な意見が出ている。

 一部報道では「未消化工事高」にスポットを当て、それが多くなっている原因を人手不足や資材高騰で、着工が遅れるなどして積み上がったためと展開している。しかし、未消化工事高とは「手持ち工事高」のことで必ず減少する数値。
 また、政府全体として取り組む予算の前倒し執行が順調にいき、公共工事の契約率が上がっていると受け止めることもできる。省内からは「未消化という言葉が一人歩きしてしまったのでは」との嘆きも漏れる。

 例年の傾向をみると、予算成立後に一連の入札・契約手続きを経て、企業側に発注される工事件数が増える夏から秋にかけて、未消化工事高は増加する。その後、工期末が設定される年末や年度末に向かって出来高が上がるにつれ、残工事の未消化工事高は自然と減っていく。統計には工期が複数年にわたる工事の単月分も入ってくる。

 そもそも建設企業は契約上、設定された工期の中で受注しているため、手持ち工事高はいずれ計画的に消化されていく。施工能力という観点から、直近7月統計の出来高をみても、公共土木は前年同月比4.1%増となっており、工事をこなしていることが分かる。統計というマクロの観点にミクロの一部事象を混在させ、ひとくくりに論じること自体に無理があるのではないか。

 ある地域建設業団体幹部は「意図を持って書かれたとしか思えない」と憤慨するほか、大手団体幹部も「建設会社が消化できないと考えられる工事を受注することはあり得ない。人手不足や資材高騰と、手持ち工事高は何ら関係がない」と語っている。

 公共投資の拡大によって「民間投資がクラウディングアウト」はリフレ派の良心による悪辣極まるデマでそれを他の経済学者が使用するため「統計と言うマクロの観点にミクロの一部現象を混在させる」というリフレ派のマクロ経済学の認識に疑念を深めざるを得ない状況となっています。

クラウディングアウト論/国交相も国会答弁で否定/「現実に起きていない」20141009建設工業

 公共投資の増加が民間投資を圧迫する「クラウディングアウト」と呼ぶ現象が起きているとの懸念に対し、太田昭宏国土交通相が公の場で初めて反論した。クラウディングアウト論は、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)の民間議員らが主張。これに対し、建設業界は、公共工事が増えても施工余力はあり、「官民シェアの議論はナンセンス」と反発しており、太田国交相も業界と歩調を合わせた形だ。

 「(クラウディングアウトは)現実には起きていない」。7日の参院予算委員会。太田国交相鶴保庸介氏(自民党)への答弁でそう明言した。鶴保氏は太田国交相の下で副大臣を務めた経験もあり、公共事業が民間建設投資を圧迫しているとするクラウディングアウト論をめぐり、「『だから公共事業は悪』というような論調がある」と指摘し、太田国交相の見解をただした。

 クラウディングアウト論は、今月1日の経済財政諮問会議で民間議員(伊藤元重榊原定征高橋進新浪剛史の各氏)が主張した。増えた公共工事に人手が取られ、民間工事を圧迫しているというのがその趣旨だ。

 答弁で太田国交相は、公共事業の増大が東日本大震災の復興工事や民間建設に悪影響を及ぼしていないかを「注視しながら行政を行ってきた」と述べた上で、「そうした事態は生じていない」と強調した。さらに、「公共工事は9割ほどが土木、民間工事は8割以上が建築であり、技術者も違う」と説明。建設会社にも土木と建築のすみ分けがあり、現場の技能労働者も「(土木と建築の間で)流動性はほとんどない」として、懸念される人手不足についても、「適正な賃金と工期が確保されれば人は確保できる」とする現場の声を紹介した。

 国交省の調査によると、建設会社の中で土木または建築にだけ完成工事高を計上する専業業者が全体の80・5%。土木と建築の両方に計上している業者は19・5%に過ぎず、市場は分かれている。下請業者もゼネコンとの協力関係から元請の棲み分けが及んでいるのが実態という。

 太田国交相は震災復興の進み具合にも言及。被災地では、道路、鉄道などの基幹インフラの復旧が順調に進み、遅れているといわれる住宅再建やまちづくりも「ほぼ工程表通りに進んでいる」との認識を示した。入札をしても落札者が決まらない不調・不落も国交省直轄工事では減少。不調が発生しても、発注ロットの大型化などの工夫で「2度目の入札でほぼ全部落ちている」と述べた。

 クラウディングアウト論に対しては、業界も「受注高の官民シェアから労働需給を議論するのはナンセンス」と批判。太田国交相と同様の主張を展開しており、クラウディングアウトの否定で両者が歩調を合わせる形になった。

 リフレ派による「おちんぎん(低賃金労働)」を改善する「公共労務費単価」に対しては大変批判がありました。質問者2「おちんぎんを上げると供給制約が瞬時に解消されるんですか」という労働者の賃金上昇への希望や労働環境の改善を馬鹿にするわけです。 民間建設投資は「低賃金労働を継続させないと、儲からない。配当が増えない。」と言うわけです。現在東京における大規模再開発事業のビル建設やマンション等のためデ デフレにおいて「おちんぎん(低賃金労働)」で苦労した者達が改善すると投資家や不動産・証券業・ローソン等が儲からないから「クラウディング・アウト」で、賃金改善圧力(コストプッシュ)は断固拒否するリフレの良心による理論は素晴らしいですね。
 是非明治大学を始めとするリフレ派(経済学者・社会学者)の教職員で身を以て実施して頂きたいものです。

 保守左派的な感覚からすれば、第二の矢「財政政策」は今回大変効いています。単に予算を執行したばかりではなく、第三の矢「構造改革」がデフレ圧力のTPP・規制緩和より先に「政労使会議」「公共労務費単価」「下請法強化及び消費税価格転嫁法」の第三の矢がデフレマインドの変化をもたらしているのが大きいのです。
 リフレ派を始めとして金融セクターや学者は「第三の矢は飛んでいない(TPP、規制緩和、戦略特区等)」と言いますが、マクロ経済による価格転嫁の帰結を喪失した日本において、物価の変動をし易い環境をどのようにするかが大事なのです。確かに円安が効いているのは、小沢一郎から小泉改革にいたる為替変動を商品価格に連動させる改革によって齎されています。ただ、国内における中小零細企業からの価格転嫁は大企業(経営者のみならず連合組合員)から拒絶されているのです。未だに価格転嫁を拒む大企業を変えない限りマクロ経済がリフレ派を含めたような状態にはならないのですが、なぜかそのための圧力でもある財政政策(消費税増税)+第三の矢(価格転嫁法)のコンビを批判されます。2015年10月頃に中小零細企業にもアベノミクスの効果が波及し始めるようなレポートもあります。今回の選挙はその好循環を得るためには消費税増税を延期せざるを得なかったと捉えていますので、リフレ派とは見ている視点が違うと言えるでしょう。
 ただ財務省としては消費税増税派断念したが、課税ベース拡大(所得税・住民税増税)を先行実施することになりますので、実質的にはどちらが良かったのかということになると思われます。


予算・経営・信頼 安定化へ勝負の時/徳山日出男国交省技監に聞く/まん延する誤解、粛々と解く20141010建設通信

 自然の猛威が止まらない。国土の脆弱(ぜいじゃく)性が露呈し、防災・減災を始めとする公共事業の必要性が、かつてないほどに高まっている。にもかかわらず、一部には『建設業界は人手不足で事業を消化できていない』『公共事業の増加が民間事業を圧迫している』など、誤解を招く主張も見受けられる。現場を知る人こそが実相を知る。国土交通省の徳山日出男技監に聞いた。

 この十数年間、公共事業や建設業の“悪玉論”が世にはびこり、官民双方の関係者とも萎縮しがちになっていた。しかし潮目は変わり、「必要なものは必要と、はっきり言える時代が来た」といまを好機ととらえる。そして、「ことしは安定への土台を築く大切な年」と力を込める。

 「まずは『予算の安定化』、そして建設業が存続するための『経営の安定化』、さらに何よりも、それらのベースにある『国民からの信頼の安定化』という、3つの安定を実現する」と強調する。
 そういった意味でも、2014年度は大きなターニングポイントと言える。国交省の公共事業関係費は、わずかながらも13年ぶりにプラスに転じ、設計労務単価の引き上げや『担い手3法』の成立などで経営環境も改善が進んだ。「大臣主導の下、実情を正確に把握し、引き続き、きめ細やかな対応を取っていく」

 予算に関しては「ようやく下げ止まっただけで大事なのは2年目。この10、11月が論戦の山場になる」と気を引き締める。公共事業の“戦場”は効果を問う『ストック』から、執行能力や事業規模といった『フロー』に移りつつある。

 「確かに世の中に人手不足感は存在するが、生産年齢人口の減少や景気回復という大きな流れの中で、全産業的に起きている問題。生産性が高く、相当の賃金を出せる産業に人が移っていく過程にある。建設業は適正な賃金さえ支払えば人材は集まっており、全体として見れば、決して人手不足で受注できない状況にはないと認識している」
 一方で「将来のことを考える余裕も出てきており、中長期的な視点で担い手の問題に取り組む時が来た」という。

 発注者側としては「適正な賃金を見込むことが大事」とした上で、「13年度に2度にわたって労務単価を計23%アップさせたが、なおも建設業の現場従事者の年収は約400万円にとどまる。製造業は約450万円であり、上げ過ぎてバブルになっているわけではない」と指摘する。
 執行能力はどうか。国交省の公共事業予算の契約率は、第1四半期(4−6月)時点で14年度当初が約45%、13年度補正が約72%となり、「近年まれに見る高い水準になった」と“論より証拠”を突き付ける。

 「人手不足で執行が危ぶまれるような案件を受注する企業はいない。契約して工期内に引き渡せなかったら、大きなペナルティーを負うことは企業側が一番分かっている。手持ち工事高の増加は、業界が自信を持って受注していることの表れだ」

 入札不調については「適正な単価を見ないような発注者に、企業側がNOを出している。経営判断として当然の行為で、不採算な公共事業は“退場”していくことになる。

 この過程で単価が変わり、ロットなどの内容も吟味される。実際不調になっても、2度目の入札でほとんどが契約に至っており、公共事業に積み残しはほぼない。健全な経済活動が行われているだけ」と言い切る。

 ここに来て、最大の論点として浮上してきた公共による民間圧迫論には、「そもそも土木と建築を区別して理解されていないのでは」と疑問を呈す。「公共事業は約9割が土木、逆に民間事業は9割弱が建築。分野が異なり、顧客も役割も違う。元請けの8割は土木、建築両方を営んでいない。また、民間工事の受注高は12年度後半以降、増加しており、公共工事が民間工事を締め出しているなどと言われる状況にはない」と説く。

 建設投資のピークは1992年度の84兆円で、現在の48兆円は4割減の水準。14年度の公共事業予算は増加したとは言え、横ばいと表現した方が正しいくらいだ。行政の財政事情は依然厳しい。「果たして、いまの規模は大きいのか、過度な拡大があり得るのか。そもそもの“根っこ”の部分を理解してもらう必要がある」

 先日関東圏のある大手の協力会社の話では、ロットの拡大により「元請け受注から二次下請けへ」「一社総取り」の入札に危機感を抱いておりました。民間投資における排除の論理やグループ企業(OB天下り)への露骨ともいえる発注スタンスの変化は地元建設業にとって、新たな顧客(民間から公共)を求める経営スタンスの変化によって起きているのではないかと感じました。民間投資のデフレ圧力が「クラウディング・アウト」論の論拠であるため、関東圏の建設業者が防衛行動に動いていることを公共投資で食えるようにしたのが悪い「この次があるから」という甘い甘言に乗らなくなった経営判断を貶めるリフレ派の良心の経営・経済感覚は恐ろしいとしか言えません。


財務省/公共事業、新規投資は一層厳選/インフラ更新にPPP・PFI積極活用を20141021建設工業

 財務省は20日、財政制度等審議会財務相の諮問機関)の財政制度分科会を開き、今後の公共事業予算について議論した。財務省は、インフラの老朽化対策費の増加や人口減少を見据え、新規投資を厳選して公共事業費を抑制していくべきだと指摘する一方、建設会社が人材確保の見通しを立てやすくなるよう、国や地方自治体がインフラ長寿命化計画を策定することも必要だとした。

 分科会に提出した論点で財務省は、今後の社会資本整備では、老朽化対策の費用の増加が見込まれる一方、整備水準の向上や将来の人口減少を踏まえ、新規投資は「これまで以上に厳選していくべき」と明記。PPP・PFIの導入や生産性の向上によって公共事業関係費の抑制を図る方針を示した。

 インフラの老朽化対策をめぐっては、地方版のインフラ長寿命化計画(行動計画)に当たる公共施設等総合管理計画に含まれない事業は「非効率である可能性があり抜本的に見直すべき」と指摘した。委員からは「インフラの更新資金に民間資金を活用することが重要だ。税金に投入ありきで考えていてはいけない」とPPP・PFIの積極活用を求める声が相次いだ。

 一方、建設現場の担い手確保について財務省は、土木が大半の公共事業と、建築が9割弱を占める民間事業の違いを示す資料を提示。「必ずしも公共工事に人手を取られて民間工事が遅れるとは言えない」と、公共事業が民間投資を圧迫する「クラウディングアウト」の発生を否定した。

 ただ一部委員からは、「公共事業の担い手不足は建設業の産業再編が進んでいないのが原因」とし、若年者の入職を促進するには業界構造の抜本的な改革が必要と主張する意見も出た。「建設事業者を維持するための公共事業では困る」との声もあった。

 地方都市で職住機能を中心部に集約するコンパクトシティー化の推進について財務省は、財政支援では限界があるとして都市計画や建築規制、税制の見直しなどを政策ツールを総動員するべきだとした。社会資本整備総合交付金の問題点も指摘。重点化や効率化の余地が大きいとして、使途を老朽化対策やコンパクトシティー化に絞るなど補助内容の見直しも迫った。

 財務省「クラウディングアウトを言っているのはバカじゃね。何の根拠もない。」
 民間議員「構造改革ガー」「業者を維持するための財政支出は困る」

 大企業並びに大学等に税金が全く入っていないってことがあるとは知らなかったですね。民主党政権下で、商社の皆様は海外投資での政府保証を90%→100%を含め補助金(税金)を一番享受しているはずですが。サハリンⅡではどうだったんでしょうね。マスメディアは商社が税金を受け取った額の公表でもしたんでしょうか。また、「クラウディング・アウト」を言いつつインフラ投資(PFI)の担い手は建設業者ではなく投資家だとでも言うのでしょうか。財務省も困るでしょうね。インフラ投資(PFI)を進めようとしているのに、民間議員から「クラウディング・アウト(アヘ顔)」されたら、「それならリスクとって民間企業でやれよ。国民からの批判も全て受けろ」と言うでしょうね。財務省に言われたので悔しいので「財務省陰謀論」でも流したんでしょうか。これから公共投資をリース資産(実質負債)として取り扱い、数十年に渡り国富を海外に流出する可能性がある(投資家が国内限定とは限らない。ハゲタカ様はだから「第三の矢」に固執する。)けど、公的セクターが発注するPFI(民間投資)にも「クラウディング・アウト」が当然発生しないとおかしいわけで、建設業者の育成が官民投資の拡大のために必要という認識よりも「おちんぎん(低賃金労働)」が変わるのが嫌だと言う民間議員の思考そのものに問題があるのだと感じさせるに十分な内容です。

 本日の新たな社会の召喚がどのようなものになるのにして、少しでも良い方向に向いて貰いたいものです。

追記

店舗兼住宅も対象に運用見直し 震災グループ補助金

【東京支社】東日本大震災で被災した店舗や工場の再建を支援するグループ補助金について、これまで対象外だった店舗兼住宅にも使えるよう中小企業庁が運用を見直したことが4日分かった。これまで住居部分の抵当権設定が問題となって、国が適用に「待った」をかけていたが、被災前と同程度に復旧する場合は店舗部分を補助対象として認めることにした。これから本格化する商業の再生に向けて後押しになりそうだ。

 1階で商売を行い2階を住居とするような店舗兼住宅の再建には、住居部分の資金も自前で賄わなければならず、金融機関から資金を借りるケースが多い。だが、補助対象施設の抵当権設定は原則認めないというのが国の立場。補助金で造った建物を売却した際は、売却益を国に返納しなければならず金融機関の担保としては認められないという理屈だ。

 被災店舗の抵当権設定は例外として認めてきたが、店舗兼住宅の扱いについては明確な基準がなく県が国に判断を仰いでいた。被災地からは困惑の声が上がり、6月ごろから達増知事や商工団体が柔軟な対応を国に求めてきた。

 「検討中」としていた中小企業庁だが、被災前と同程度に復旧する場合は「住宅部分も店舗に付随して必要」(同庁経営支援課)との見解をまとめ、10月末に県に通知。県への申請を得て、補助対象とすることにした。

今回の決定で、今後の関東以西の震災対応でも同様の取扱になる。