津波被災の記録139

 発災から3年6ヶ月が経過。幼馴染がこの地を離れた。
 震災後1・2週間後の出来事だったが、子供が居なくなり皆で探し回った。幼馴染も含め一体何がおきたのかわからない状態ではあったが、子供が隙を見て車から逃げ出して戻ってきて事なきを得た。連れ去ったのは関東以西から来た男性。当時は詳しい事情は聴かなかった。また、無事戻ったことでもあり警察に届を出すことも無かった。
 その後この男性が再度来て、子供を関東以西へ連れて行きたい。ということが何度かあったようである。結局は幼馴染が承諾して、子供を男性の住む関東以西へ一時預かることに同意したが、引き取りに行った際に男性の両親共々が子供をトイレに幽閉し引き渡しを拒んだ。子供がトイレの窓から脱出し、幼馴染と一緒に戻ってはきたが、何時子供を連れ去りに来るかわからない恐怖から幼馴染は働くことを辞めた。生活が困窮しても子供を奪われる恐怖には勝てない。
 震災から3年目が過ぎたころに双方協議して同居はしないが子供と共に関東以西の地へ移ることを決めたと挨拶があった。
 やったことは誘拐・監禁である。津波により被災し混乱した地域から関東以西への避難と言うよりは、放射能による汚染から守るという名目で、子供だけをこの機会を利用して奪い取りたかっただけだった。とんだ「放射脳」な男性と両親だ。
 「放射脳」な人々から繰り出される様々な圧力を関東以西の地で、自身の家族も親戚も居ない地へ赴かざるを得なかった。震災が無ければこのようなことにはならなかっただろう。子供とこの地で平穏に暮らせただろう。
 関東以西への移住を手助けすると称する「放射脳」な人達がするのは「被災地からの人攫い」。「放射脳」は被災地のコミュティを破壊し、家族を破壊する人災である。今夜も金曜礼拝を捧げる人災をまき散らす者達と自分は永遠に交わることは無いだろう。

 3年を過ぎて復旧・復興にもあきらめをつけて去る人達も増えた。残った者達とて一枚岩ではなく、様々な対立をむしろ露わにしているのが被災地の現状だ。支援の在り方により税金等で肥え太る者もいれば、支援を断絶させて困窮させてそれを見て喜んでいる人達もいる。表には出ないが、様々な物が盗まれることも多く、よそから来ているものではなく同じ住民が犯人であるのも判っていても我慢している。
 
 

そういうなか、隣町の自治体支援職員に随分と企業城下町における高卒者等への批判を頂戴しました。

Jinno Mikinari @jin0210

かつて、この「釜石・大槌地域」というところは、やたらと某製鉄メーカーの影響力が強くて。「製鉄所の関係者でなければ人にあらず」とまでは言わないが、製鉄所の従業員は周囲から随分と羨望の眼差しで見られたのだそうだ。ある種、安定の証、みたいな。

Jinno Mikinari @jin0210

だからだろうか?地元高校を卒業して、そのまま高卒で製鉄所に就職し、ずっと同じ製鉄所内だけで40年以上を過ごし、他の地域や世界との接点も少なかった方々(特に年配世代)の異常なプライドの高さには、正直ひたすら驚かされる時がある。

Jinno Mikinari @jin0210

物凄く失礼な言い方をすると、「天下の製鉄所様」なんて理屈が通用するのはこの町だけなので、かなり恥ずかしいのでやめておいた方がいいんじゃないか、と思ったりする。

Jinno Mikinari @jin0210

勘違いしていただきたくないのだが、某製鉄メーカーは素晴らしい会社だし、その製鉄所で働くのは社会的にとても価値のある仕事だ。学生時代の友人には、大学を卒業して某製鉄メーカーに就職した人間も何人かいる。彼らはとても優秀だ。


Jinno Mikinari @jin0210

だが、それと同じくらい行政の仕事も大事だし、同じように漁業や農業の仕事も大事だと思う。もちろん、他の仕事も。だから、「製鉄所だけが特別すごい」という理屈というか、その感覚が正直まったく理解できない。

 企業城下町には「新日鐵住金」や「日立」「三菱重工」「東芝」等を含め様々ありますし、電力供給地もまた「原発・火力等」による企業城下町として「地元高卒者」が就職していたわけです。日本の産業クラスターがその「企業城下町」とネットワーク化した隣接市町村との連携があって発展し、その恩恵により辺境地から中央の大学へ進学し易い環境が整ったのです。批判の対象となる高卒者等の子供の多くは大卒で東京等大企業へ就職しているのも多いです。そういう人達からすれば「貧困から脱出できたのは『天下の製鉄所様』があったからでしょう。東京都に在る自治体職員からすれば、そんな環境何て存在しえないのでしょうし、貧しい地方から豊かな東京へ送り出した多くの人達の思いを感じることなどできないだろう。
 自治体職員が行う業務が「定着より流出を促進」していることがあるなどとは考えもできない職員を派遣してくる自治体は「人が流入するのが当たり前」という「企業城下町」の論理をかざしているのは大変興味深い事です。

さらに、

seiyatakayanagi@seiya328 · 9月2日

隣のまちの盛大にコンペして注目されて設計して入札不調が続いて、結局標準設計のものができて、立地アクセス条件など周辺環境整備との関係がグダグダかつ入居希望者数の推計も古いアンケートベースでやってたので最終的にかなり空室あるとかで、結果何千万か無駄遣いになった事例を見たりしてきた。

 隣町には随分と隣市の復興の在り方に批判的な方達を受け入れるのが上手なようです。
 たしかに地元でも批判があるのは事実ですし、自分も批判する内容となっているのは事実です。ですが、この方式を推奨したのは民主党ですし、現在では国交省も多様な入札方式の試行の一環となっています。それも公務員が楽をしたがったせいであることが肝要な点です。設計・施工一括方式や設計施工建物等買取方式、CM(コンストラクション・マネジメント)方式は公務員の皆様が望んだからやっていることで、市民が望んでやったわけではありません。「民間に任せれば上手くいく」というその見本であったわけで、市職員から通常の入札方式で行えば3割以上安く出来た。と、市長に言った話は聞いてます。
 
 ではURに丸投げしている町方事業が安くて無駄が無いかと言うと、町内業者からは怨嗟の声が聞こえてきています。もの凄いコストカット要求をしているじゃないですか。地形によるコスト変更は全く認めず、平地も山頂も変わらない単価を押し付けていると聞いています。無駄遣いを無くすにはシパクのが一番なようですね。支援に来ている公務員の皆様はシバキ上げが上手なようです。