津波被災の記録133

 発災から1000日、2年9ヶ月も過ぎて「進む復旧、混迷する復興」については、いままでも最大の問題である「財産権」については、少々乱暴な仕組みで解決を図る具体案が示されましたが、国は「憲法違反」の認識を有しておりますが、国民の多くは自らが被災したことを想定して、関心をもつことはないため、どうしても、復興の「スピード」が上がることだけを求められすぎているせいかもしれません。

復興用確保へ特例案 迅速化に向け県などが国に要望

特例制度は、私有財産との調整手続きや補償金の支払い手続きなどを担う独立性の高い第三者機関(機構)を設置。現行の土地収用法では、収用委員会が裁決して地権者の補償額が決まり、補償金が支払われてからではないとできない着工を、事業者が機構に補償見積額を予納すればできるようにする。
 土地収用手続きの前段階として必要な事業の公共性の認定は、現行は国や県が担っているが、既存の市町村復興整備協議会の同意で可能とする。
 県は6月、特例制度を検討するワーキンググループを設置。8月から同弁護士会と共同研究を始め、憲法29条の「財産権の保障」に抵触しないよう留意し最大限早く着工できる制度を検討してきた。

復興相、特例創設に慎重 用地確保策を知事が提案

根本復興相は「機構がその手続きをするのは憲法29条、31条に抵触する可能性が出てくる」とし、財産権の保障など憲法に抵触する恐れを指摘。差し止め請求訴訟を起こされた場合に「耐えられるのかというのが率直な印象だ」と述べ、用地確保の問題に理解を示した上で「立法論として論点整理をして点検、検討すべき制度だ」と語った。

 
復興相、用地特例創設に慎重 震災から1000日

県が復興庁に創設を求める特例制度については「財産権の保護、適正な手続き(に抵触しないか)という論点が出てくる」と懸念を示し「別な枠組みの制度を検討するのもいいが、目の前の課題をどう早く解決するかも必要だ」と語った。

広めにかけた土地区画整理事業を縮小する方法について(第二稿)

(補注)
2)国税については、居住用財産の買い換え特例の100%買い換えが平時でも存在しており、東日本大震災特例で、事業用資産についても買い換え特例が100%できくことになっている。また、登録免許税も免税となっている。(参考http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/ss230428s.pdf)。地方税も不動産取得税は東日本震災特例で非課税となっている。(参考http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2011/explanation/PDF/p845_875.pdf)。よって、土地区画整理事業の制度の外で、土地の買い換え等を行っても、税制上は土地区画整理事業で行うのと同等の特例が講じられており、地権者に損失は生じない。

3)災害危険区域は、建築基準法第39条に基づき「地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。」と規定されている。一方で、防災集団移転促進事業によって、移転促進区域に対しては、防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律第1条により災害危険区域に定められた区域の中から移転促進区域を定めることとなっている。実態として、曼荼羅上に移転して中心部に現地再建したい地権者と再建の意向がない地権者が存在している場合には、災害危険区域の制限内容について、一定の条件を満たした場合には商業、業務以外にも一定の住宅の建築を認めるなど、弾力的な制限にして、再建意向のない地権者の了解をえることが重要である。

4)防災集団移転促進事業と公営住宅の組み合わせは、そもそも防災集団移転促進事業で移転先の住宅団地の用地費がでるので、単純に、移転先の住宅団地の一部に災害公営住宅が立つケースと実態は同じである。

 東大法等に対して、憎悪の炎を抱く方達が今頃になって、こういう問題も「供給制約」で、ムダとしたいようです。スピード感の無いものには投資効果が無いと言うことなんでしょう。
 被災地の復興のための用地買収が進まないのは、被災者や地元の地権者の反対よりも、東京等に住む相続した地権者や相続権がある方達の頑迷な反対(ようは満足する金をだせ)にあっています。権利意識の高い都市リベラルな感覚が復興の足枷ってのもやり切れませんね。

 別の方達は、GDPの下振れ要因が財政政策(公共事業(被災地復興))の「供給制約」にあるということで、被災地復興は金融政策の敵とでも感じているようです。大都市部の民間投資に制約がでることで、投資した株価や配当が減る事しか頭にないのでしょう。小渕内閣での財政支出と為替を並べて、マンデルフレミングガーを見た時はガックリ来ましたよ。

再分配政策の一形態である、地方公務員の俸給と建設投資は叩いて、金融政策は再分配という、資産を有する方達だけにしか効き難いトリクルダウンを礼賛するのは、あきれるしかありません。前回のITバブル(2000年)で塩漬けになっていた資産が少し動かせるだけで有頂天になってしまうのも情けないとしか、まだ塩漬けが解消できていないので、切羽詰っているのかもしれませんが、言葉が出てきませんね。

mukaifumio ‏@KitaAlps
小渕政権期にマンデル・フレミング発現って→「三橋さんに【重要】な質問」 http://amba.to/1f1LwXc :98年7月140円が00年4月105円に・・「公共事業だけを増やして金融政策をサボった小渕内閣の実績」と書いてあるけど、この時期は日銀『ゼロ金利政策』の真っ直中

mukaifumio ‏@KitaAlps
円高の原因は『多分』アジア通貨危機で、邦銀が海外投資を引き上げたため。実際この時期は、日本の一般企業はカネ余りだったから、海外資金の流入が増えるわけがない(次を見ると98年に非金融法人企業(一般企業)が一気に資金余剰になっている http://twitpic.com/7teg9m  )

himor_jp_sakura ‏@himor_jp_sakura
@KitaAlps MF効果は実質金利がポイントなので、日銀のゼロ金利政策だけでは、当時の財政出動に対して弱かった可能性が高い。 http://ameblo.jp/typexr/entry-11653031349.html … それに、通貨危機が始まった97年からはしばらく円安に振れてます。通貨危機の影響だけと言い切るのは早計では。

himor_jp_sakura ‏@himor_jp_sakura
@KitaAlps さらに言うと、各国通貨が暴落する中、日銀はこの97年〜00年の間にほとんど何もしてないことになりますね。政策金利の上げ下げしかやっておらず、量的緩和を全くやってません。

himor_jp_sakura ‏@himor_jp_sakura
@KitaAlps 東日本大震災にせよ、阪神大震災にせよ、復興に伴う大規模財政出動が確実に「予測された」段階で、実質金利の上昇を読んで動き出しています。そうでないとするならば、なぜ大災害で危機に陥った日本に対し「投機」が起きるのか、説明する必要があります。

mukaifumio ‏@KitaAlps
@himor_jp_sakura :「『予測された』段階で、実質金利の上昇を読んで動き出しています」・・・これは投機ですよね。阪神淡路では、急騰のあと急落してますから、その変化は投機と考えるのが自然ですね。その変化はMFモデルのメカニズムではないということだと思います。

himor_jp_sakura ‏@himor_jp_sakura
@KitaAlps 阪神淡路は、急落の前に(中途半端ですが)金融緩和しています。

himor_jp_sakura ‏@himor_jp_sakura
@KitaAlps その変化はMFモデルのメカニズムではない>>そんなことはないでしょう。実質金利の高騰(期待)に合わせ、円高が進むのは通常のMF効果の発現に他ならないと思いますが。

mukaifumio‏@KitaAlps
@himor_jp_sakura MFモデルと期待?:期待で先行的に金利が変化する場合も、その水準は最終的にMFモデルが想定する水準に一致してある程度安定するはずです。急騰のあとの急落はそのメカとは異なる現象だと思います。それは投機とその対策による変化と考えるのが自然だと思います

himor_jp_sakura ‏@himor_jp_sakura
@KitaAlps 繰り返しますが、阪神淡路のあとは、しばらくして日銀が金融緩和してます。円高放置して文句言われたので慌ててやったんでしょう。別に財政出動を否定するために言ってるわけじゃないので、あまりムキにならないでください。現在のような日銀量的緩和のもとでは財政有効ですので。

 被災地復興(財政支出)は、円高になる。と御心配の御様子です。
 「公共事業」の「供給制約」で「民間投資」ができなくなるというリフレ派の良心の理論に縋るのですが、実体は違います。

三ツ沢ネオ ‏@mzw_neo
供給制約が大きかったんですかね @KitaAlps

mukaifumio‏@KitaAlps
@mzw_neo それはありましたね。市町村役場自体が壊滅したことで、発注できなかった分もありますし(国が人的資源を投入する体制をとれば・・認識がなかった)。また、それ以上に、財務省増税の道筋を付けるために、復興を人質に財源論を展開して予算化を遅らせたのも大きかったと思います

三ツ沢ネオ ‏@mzw_neo
予算化はされたんですけど、供給制約で充分執行されてないから、確報でずれたんではないですかね? @KitaAlps

mukaifumio ‏@KitaAlps
@mzw_neo GDPの改訂原因についてはそのようですね(阪神淡路当時は土建業界が元気だったけど、今回は業界が縮小して対応できなかった・・つまり「災害に弱い」国になってたわけです。それも選択ですが)/ただ、GDP改訂とは別に、予算化の遅れや自治体の壊滅で発注自体が遅れたのも事実

 この流れから、リフレ派はマシナリさんの発災からのエントリーは読んではいなさそうです。また、「供給制約」が、公的セクターの縮小も要因の一つである事も今頃になって気付いたようです。でも「公務員の給料3割削減」等には賛同する。つまり、リフレ派はいまだに「供給制約」を建設業のみでしか考えれていない。そうでなければ「受注したいだけ」とかはでない。さらに「供給制約」の被災地の建設業者とて「不落改善のためのロットの大型化」が入札参加断念の要因になっているとは発注者自体が思っていないけど、現実は断念しているのだ。

 許可業者数はそれほど減っていないが、事業破たんした企業の社員が起業を繰り返すのだが、そのたびに規模は縮小していき、なんとか存続した建設業者も最低限度の雇用の維持となっても、「集積」や「連携」によって「一定規模」に向かい、株主と経営の分離を行うなどは考えないし、求めないため、復興JV等はそういうわけで効果が見込みにくい。

 被災地の建設業については、ゼネコン同様に土木工事業では利益率が高く、儲かっていて、「不落」は発生しにくい。建築工事は、利益率が薄く、被災住宅・施設修繕等の工事もほぼ無くなり、新規物件は、ロットの大型化で参加できなくなり、新築住宅はハウスメーカーの独壇場で受注が無く、「供給制約」を一番受けている。来年は仕事が殆ど無いのではと言う感じですね。
 こういう状況で来年3月には、「瓦礫処理」も終わり雇用問題への対応が可能とはならない。

被災地の雇用問題

よく被災地の心のケアといいますが、心のケアはじつは大して役に立たない。はっきり言って焼け石に水です。もちろん、対処療法としてはやった方がマシですが、これだけ大量に出現し始めているということは、地域の社会問題なのであって、それを解決しないことには解決できないのです。あとは、支援者と被災者あるいは後背地の方も含めて消耗戦です。

 水産加工業放射能風評被害もありますが、一度失ったサプライチェーン(既に別会社へ変更)に変わる別なルートの開拓には時間がかかるのと、資金繰りが持つのか、時間はそんなにないかもしれない。そういう空気が「復興計画のグレートリセット」を仕掛けられやすい。

 リフレ派は、発災後に「復興リフレをぶちこめ」「太陽光ファンドで被災地支援」等々のショック・ドクトリンを仕掛けていました。また、今回は被災地復興に対しても非常に高いご見識をお持ちです。

ありにゃん ‏@arinyan486
公共事業の供給制約って今から取り組んでもすぐに解消されるものではないでしょう。 - 『公共事業の供給制約を克服するには』 http://amba.to/19d9aez

プリンツ ✼̥୭木下(財務省)を討て!୭ ‏@prinzgold
@arinyan486 はじめまして。そのブログ主さんは三橋貴明の熱心な読者らしく自著のアマゾンレビューでも辛辣な意見が載っていました。供給制約はいいのですが、なにか無邪気に供給制約が悪いことで公共事業の供給力を伸ばすことを是としているようです。自分にはその根拠が分からないです。

すがり ‏@sugari312月3日
@prinzgold 効率優先は人命軽視、みたいに刷り込まれてるんでしょう。実際は金をどれだけかけるか以上に内容が大事。想定をいくら高くしても想定外が起こりうることを自覚しなければならない。東日本大震災・「想定外」にいかに備えるか: http://youtu.be/mLtkniQpzv4

プリンツ ✼̥୭木下(財務省)を討て!୭ ‏@prinzgold
@sugari3 そうですね。想定外のことは防げないので人を育てる教育が重要だと感じます。その動画は宣伝動画なので分かりにくいと思います。すがりさんの以前のツイートでもあったと思う別の動画で片田敏孝さんの主張を知りました。

プリンツ ✼̥୭木下(財務省)を討て!୭ ‏@prinzgold
@sugari3 以下の動画になります。 防災教育から生まれた「釜石の奇跡」 1/2: http://youtu.be/wAqXEb1QHLU 防災教育から生まれた「釜石の奇跡」 2/2: http://youtu.be/hN2onooTDK4

すがり‏@sugari3
@prinzgold 本当に防災のことを考えるなら片田教授の意見を周知すべきだし、経済に関してならリフレ派の意見を推すべきです。が、これらの主張があまり理解されていないし、マイナーなのが実状。残念ながら、保守界隈の主張は救国の役には立たず、既得権擁護にしかなっていません。

プリンツ ✼̥୭木下(財務省)を討て!୭ ‏@prinzgold
@sugari3 ええ、だから自分は最近はますます保守界隈に関して不信感を抱くようになりました。本当に日本のことを思っていることは否定しませんが、洗脳が解けた的なことを言いながらまだまだイデオロギーに引きずられすぎていたり、大局的な見方やバランスが欠落してるように感じます。

すがり ‏@sugari3
@prinzgold サブカル批評 宮台真司×宮崎哲弥: http://youtu.be/aFE4JAYLAO4 で、おそらく現状の保守界隈の動員戦略の元ネタはこれです。私もTPP議論が盛んだったころツイッター上で情報周知を試みましたが見事にダメでした。なので、いまは田中先生と同じスタンス

プリンツ ✼̥୭木下(財務省)を討て!୭ ‏@prinzgold
@sugari3 なるほど。ただ、最近風通しは良くなったとは感じます。それだけ日本が危機的な状況という裏返しなのかもしれませんがw 例えば田中秀臣さんに対する、いわゆる保守層の評価も以前とは雲泥の差のように感じます。例えば中野剛志に関する田中さんの批判一つを見てもそれは顕著かと。

 リフレ派に被災した地元の話をお取り上げ頂くことは別に不満ではありません。ただ、財政政策(公共事業)叩きや国土強靭化並びに既得権擁護等の批判に使われるのは我慢ができません。リフレ派の単純な防災意識をドヤ顔で語りつつ、「我を信じよ」というのは。
 

渡部真@craft_box
ついでに余談だけど、これは釜石に限らず、未だどこの地域の学校にも支援の申し入れが多いらしいが、相変わらず、押し付けがましい支援が後を絶たないらしい。まぁ、僕は当事者じゃないから、支援する事について悪いとは言えないけど、その見返りを求めるのは、どうかと思うですよ。(続く

渡部真@craft_box
僕が取材アポを取る度に「マジで『釜石の奇跡』ウザっ」って感じる何倍、何十倍も、釜石の人達は感じていることだと思うよ。原発事故報道の検証やデマの検証は、割と目に着いたけど、こういう「矮小化したエピソード」が、現場にもたらせた弊害って、東北各地で起きているし、大きいなって思うですよ

渡部真@craft_box
釜石では、2年前から、教職員も、生徒児童も、「奇跡なんかじゃない」「奇跡なんかなかった」と多くの人達から話を聞いている。けど、相変わらず釜石は奇跡の象徴として取り上げられてる。「釜石の奇跡」を作り上げ育て上げた某新聞と某テレビは、そろそろ自己検証した方がいいじゃないかね?(続く

渡部真@craft_box
まぁ、現地に来てアポドリした方がスムーズなのは、何の取材でも一緒なんだけど、それにしても「釜石の奇跡」が一人歩きしているんだってことは、こういう時に本当に実感するです。前も書いたけど、震災に関して、成功事例を単純化して伝える事は、次の教訓に繋がらないと思うんですよね。(続く

渡部真@craft_box
震災を受けて今後の防災教育がどう変わって行くのかを継続的に取材しているですよ〜という説明をして、ようやく理解してもらうんだけど、東京からのアポどりだと、それも、なかなかうまく伝わらなくて、結局、こっちに来て一度挨拶して、ようやく日程調整になることも多い。(続く

渡部真@craft_box
釜石の場合は、「あぁ、また『釜石の奇跡』に興味ある一見の記者なのね」みたいな印象を持たれちゃうことが多い。実際に、そういう取材が、(今年になって、やや減ってるとはいえ)まだまだ続いているらしい。こちらは、逆にそういう矮小化された震災以前の防災教育の実情や、(続く

渡部真@craft_box
昨日も、今日も、そして明日も、初めて会う釜石の教育関係者への取材が続いてるんだけど、最初のアポどりは、何時ものように「東京から来る怪しいフリーの記者」のイメージを拭ってもらう事から始まったりする。まぁ、それは、東北のどこに行っても最初は同じなんだけど

 片田先生には、震災以前には防災教育に熱心な町内会や市会議員も含め、何度も釜石市を通じ講演・指導等をしていただきました。ですが、リフレ派に利用されるような方ではありません。
 自分も「津波被災の記録」の中で、「奇跡」ではないことを述べていますが、そうしないと、後世の防災教育には不適切なのです。これは片田先生の講演資料等を見て感じたからですが。