津波被災の記録107

 「被災地(がれき処理)が儲かっている」というのが蔓延すると非常に困るわけです。そういう部分は中々伝わらないものですから、こういうのがでると非常に多くの国民の皆様に不信感を抱かれます。

がれき広域処理「税金の無駄」 県民16人が監査請求

 宮古市の市民団体・汚染牧草焼却を考える宮古の会の代表で、アロマセラピストの古舘和子さん(37)=同市和見町=らが同日午前、県監査委員事務局に住民監査請求書を提出した。
 請求は理由として、推計量より実際の量が10分の1しかなかった野田村から埼玉県への木くずの広域処理などを例に「見積もりがひどく、必要量の根拠があいまいだ」と指摘。運送費が過半を占めるとして「コスト面で大きな負担がかかる」とした。
 県庁で会見した古舘さんは「税金を無駄遣いした処理で、全国から被災地が非難されるのは不本意」と述べた。

 震災直後のがれき撤去については一部で算定がおかしい事例があるのは否定しません。しかし一番困るのはこのようなことが被災地に対する不信感をつくることで、復旧・復興が遅れることです。よく「復興が進まない」と言われますが、建設産業の労働者を人間扱いしない表現です。労基署の監督官との会話でも「長期に渡り復旧・復興を行うためには、労働者を過重労働させないようにしていただきたい。」と言われます。そのためには、労働者の負担軽減措置として適切なコストを支出して頂くのが認められないと、事故や突然死の確立が高まるのです。ましてや、被災地労働者の負担軽減措置でもあり、「人間としての保障」すら認めず「税金の無駄」と言う指摘は、被災地で働く労働者と過重労働からの解放を手助けして頂く、様々な産業の労働者への侮蔑以外の何物でもありません。労働者は奴隷だとでもいうのでしょうか。

 ましてや現在に至っても民間企業も行政機能も震災以前のように機能しているわけではありません。

machineryの日々 公務員不足

そもそも土地区画整理に限らず、制度を運用するということは、制度の趣旨や問題点を理解するため、その問題点に実務の中でいかに対処するかということを経験するというプロセスを経る必要があります。そのような職務を担う人材として公務員がいるわけですが、その公務員は当時の経済財政諮問会議(「骨太の方針」)に基づく総務省の「集中改革プログラム」で、22年度までに大幅に削減されていました。要は人材がいなくなっていたということです。
したがって、全国の公務員が減っていますから、被災した自治体はもちろん、その支援に職員を派遣する自治体も復旧・復興のためのエクストラな業務に充てるだけの人員は擁していません。この状況に至っても、政権党が変わろうとも連綿と公務員人件費削減の公約は金科玉条の如く掲げ続けられていますから、今後もこの状況が変わる込み込みはなさそうです。被災地自治体の支援に行った職員が自ら命を絶つところまで追い込まれているという事実が、この現実の一側面を物語っています。

 被災直後から官民から要請で様々な見積書を作成し、地方自治体や関係団体へ提出しています。
 「見積もりがひどく、必要量の根拠があいまいだ」見積書作成は無償です。多くの業者は、会社の立て直しをしつつ、がれき撤去をしながら、官民の要請を受け現地を確認し、見積り作成しつつ現場も管理しながら翌日、翌々日から1週間で提出した業者はいくらでもありますよ。提出しても仕事を随意契約で貰える保証はありません。公的セクターは入札してましたよ。査定が甘かったというのを簡単に言えるのは復旧・復興の現場にいないからでしょうね。
 こういう行為が正義だと思って、「紐帯」を分断するのもいい加減にしてもらいたい。そういうことをしなくても、既に県・市町村は周知のことではありますが、来年度から被災地に対し、国税は一斉に調査に入る予定と聞き及んでいます。税金は支出されっぱなしではありません。回収することも織り込み済みです。
 

 マシナリさんのエントリーについて、周りは別の見解をもっていることや応援職員の横暴な対応、被災者の態度の悪さを書こうと思ったけど、別の機会にする。


FX Katsuhito @Katsuhito000
民主の実務能力の低さからいって、いっそのこと被災者に直接大金をばらいて「復旧復興はその金で全部やれ。あとは知らん。」とやったほうが早かった可能性すらある。あとは地方公務員の容量不足かな。頭数が決定的に足りない自治体がかなりある。


ロクスケ(ロクデモ ナイ) @HRokusuke
一度に全てが喪失しちゃった地域は、個人生活の再建だけじゃなく産業(シゴト)も人的関係(コミュニティ)も健康(メディケア)も文化(祭事や伝統もの)までを再構築し直さなきゃならない。でも、人的流出も収まってなくて、支援応援も時間経過とともに次第に薄くなりがち。二年を迎える苦悩・・


コンスタ @constantin_kun
被災からまだ2年…ここだけの話、私たち被災地の人間は3月11日という大切な日は静かに過ごしたいのです。それなのに、有名人来たり国民的人気グループがこっちでライブやったりで何かイベント事のようにとんでもないことになってて、現地の人間疲弊させてどーすんのと個人的には立腹しています。