津波被災の記録88

2012(平成24年)11月9日(金曜日) 岩手日報

ICT、再生エネ活用を

福島で「ほくとうセミナー」
槍田会長(三井物産)復興に提言

 北海道、東北、新潟の8道県と経済団体などで構成する北海道・東北未来政略会議(会長・三村申吾青森県知事)は8日、福島市内のホテルで「第7回ほくとうトップセミナー」を開いた。三井物産の槍田松瑩(うつだしょうえい)会長が講演。最先端の情報通信技術(ICT)と再生エネルギーのインフラが整備された近未来都市を復興予算や特区を活用して構築することを提案した。
 本県の達増知事ら各道県の知事や部局長、経済団体の代表14人が出席した。

槍田会長の講演要旨

 震災による未曾有の災害を乗り越えて復興することを考えると、相当な発想のジャンプをしなければ一種の閉塞感を吹き飛ばすことはできない。
 新エネルギーをベースとしたICTによってさまざまな挑戦をしてみてはどうか。
 新エネルギーの安定供給には、蓄電技術、設備が重要。その発達、普及が日本のエネルギー戦略を左右すると言っても過言ではない。
 まずは、復興予算を使ってITインフラを徹底的に整備する。そうすることで民間投資と新たな産業を呼び込み、人が集まることで地域が自立するポジティブなスパイラルができると考える。
 これはスマートシティと違い、経済特区に指定されることで、そこに拠点を構える法人、個人が最新インフラを無料または廉価に使用できる構想に基づいている。
 この構想の母体は風力エネルギーを基幹エネルギーと考えている。また、最新のITインフラで最適に制御し、活用することだ。
 エネルギーインフラは最先端の蓄電池とITの一体化で、地域のエネルギー全部を再生エネルギーで賄う。さらに余剰電力は他地域に売電し、地域コミュニティの自立と他地域との連携を実現できる。
 洋上風力の建設と運営のボトルネックとなる電力取引所や解体送電設備は復興予算で事前に整備し、発電設備の事業者に無償で利用されることで、他地域と差別化できる。
 ITインフラを活用した「フィッシュバンク構想」は、地元漁協の中の運営母体となるフィッシュバンクが、水産物を漁師から買い取る。これをeコマースで広範囲に売却する。同時にODA枠でも買い取り、途上国に渡す仕組みも想定している。
 水産物はフィッシュバンクが定額で買い取ることで、漁師の収入の安定にもつながり、中間流通コストを切り詰めて、消費者にも安価に届けられる。
 途上国の栄養状況に貢献することで、地元の復興だけでなく、震災時の世界中の善意への恩返しにもなるだろう。ITインフラは災害対策や医療、教育などにも活用できる。
 これらを強力なリーダーシップの下に取り組んでもらうことで、安全や産業の活性化、人々の幸せが高い次元で満たされる町として復活するのではないか。


 さすがネオリベの本家本元は本音を隠しませんね。
1.最新インフラの利用料は「無料か廉価」を要求し、「適切な対価」は支払わない。
2.スマートシティは田舎にはもったいないですよね。電気を大量消費しますから。(地方分権地方主権=政府の関与は排除した)経済特区でやらないと意味がない。
3.「フィッシュバンク」の買取資金はどちらからでるのか。水産物のロス部分はどこが負担し、中間流通コスト(業者一斉淘汰)をして消費者に安く提供した代償の手当は無いのでしょう。途上国向けの「生鮮」「加工品」の供給元は「商社系水産加工会社」がODA予算により安定した経営が確立することを目的としていると妄想してしまいます。
4.再生エネルギーの売電を担当する特定規模電気事業者(PPS)が他地域への売電による利益も二重に享受する仕組みですね。しかも復興予算で送電設備を整備して無償で提供しろって、「復興予算の流用批判」もこのためだったのかと頭が痛くなります。

猪瀬直樹氏「(福島に)最新鋭の石炭火力発電所を建設すればよい」の提案をめぐる、地方と都市の関係性。そして、廃棄物の問題。-Togetter  

 総務省の「ICTスマートタウン」の実現にむけて、における岩手県のICT地域振興パートナーズではこんな話はでているようには読めなかったけど、ネオリベ地方自治岩手県はんだろうか。
 明日で、被災から1年8か月。「近未来都市」なんて過剰な投資で叩かれそうです。田舎で電気は浪費させられない。全ては大都市のための(余剰)電力=再生可能エネルギーなんですね。