津波被災の記録75

 震災から1年5か月が過ぎ、浸水した地域の家屋の基礎しか残っていない土地は、雑草が人の背丈が隠れるほど生い茂っている。
 こういう光景を見ながら「夏草や〜」「麦秋の嘆」が頭の片隅に浮かぶ。まだ復興への道にすらたどり着いていないこの現実の光景を余所に毎週金曜日集まる「普通の人」がいるらしい。被災地は自ら弔う術さえ奪われて、イベント化したものをNPO等から押し付けられているのにな。「普通の人」が行うものは良い事で、与えられるものを頂くしかない存在に成り下がっている被災者が「普通の人」になることは認めないことがヒシヒシと伝わるイベントが素晴らしいって何なのだろう。溜息。


 「公僕からの反論」
 http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-527.html

 まあ「民間がやれば上手くいく」という幻想を作り出すためにも公僕批判は簡単だというのもありますし、被災自治体の職員は地元に密着しすぎて(幼少期のイメージが多分にある)批判しやすいのです。
 行政のプロセスそのものを知らなすぎるので、上手に利用すること(サービス受給)がわからないことを利用されているんですね。利用されて「事業仕分け」に賛同する国民がいたでしょ。あれって無知以外の何物でもないことを支持者が暴露しているわけです。
 「行政のムダ」にしても批判する場合、プロセスの検証をする能力があるか問われるのはマネジメントにおいては前段として明確にする必要があるわけです。市民オンブズマン等による「行政のムダ」批判は、国民の大多数はバカであり優秀な私達が導くというのを感じます。本来このような批判は国民大多数を様々な教育・訓練により能力向上が果たされてからするべきものなんでしょう。優秀な少数による政治へ向かうような「行政のムダ」批判については改めるべき時期です。

 「事業復興型雇用創出事業」の助成金については、被災地の企業が貰うというより、「復興特区」により進出した大企業の負担軽減の意味が強いと感じていますから、被災地の復興をどのようなビジョンで捉えているかがよくわかる事例だと思います。
 被災地支援名目で店舗を出す企業にしても、データ収集を助成金補助金でやっているという印象を抱いています。

 「雇用のミスマッチ」にしても
「ミスマッチ」って何のこと?
 http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-526.html
被災地雇用「職業間ミスマッチ」拡大の現実:エコノミストEyes
 http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/opinion/eyes/pdf/eyes120813.pdf

 雇用創出ビジョンなるものを官側と民側では見方の勉強の良い資料。
 ただ被災者自身が、雇用創出ビジョンの「ミスマッチ」を受け入れられないということはどうしたものでしょうね。官民とも旧来の復旧・復興を許さない姿勢こそが、被災者を被災地に留まらせずに望郷の念を抱きつつ離散を強めることを促していると思います。
 「被災県いわて(宮城・福島)」を利用して被災地切り捨てをしつつ、内陸部への集約を図ろうとする姿勢(ネオ・リベラリズム的な企業誘致(特区・減税・規制緩和)と集積による効率化やハゲタカ批判しつつ環境金融資本主義にドップリ)が嫌いなだけですから、「ミスマッチ」は至るところに転がっていますね。