津波被災の記録70

財政政策という実務(machineryの日々)
http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-523.html

2012年7月17日火曜日
ある地方公務員のあるマクロ経済分析(途中)への誤解
http://www.anlyznews.com/2012/07/blog-post_17.html

1兆円も余った復興予算のムダ
コスト高な事業を見直せ2012年07月20日(Fri)
原田 泰 (早稲田大学教授・東京財団上席研究員)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2081

東日本大震災からの復興のための2011年度政府予算、15兆円のうち、4割が使われなかったという。道路や橋などの建設に予算をつけすぎたため、使い切れなかった。

 残ったのは5.9兆円だが、4.8兆円は12年度に繰り越され、予定通りに復興事業に使うが、1.1兆円は使い道がないため、国庫に戻すという(朝日新聞6月29日付他各紙)。

 中でも、復興庁の繰越額1兆3101億円、不要額38億円、国土交通省の繰越額9571億円、不要額5162億円、環境省の繰越額5799億円、不要額344億円などが目立つ(復興庁「平成23年東日本大震災復旧・復興関係経費の執行状況(予備費・1次〜3次補正)」6月29日)。

最初の予算が大きすぎた
 あれだけの大災害の後で、被災地の役所も損害を受け、中央官庁も混乱していたのだから、過大な請求があったのは止むを得ない。多少の非効率や無駄があっても、一刻も早い復興を優先すべきという理屈も分かる。また、必要な道路や橋などインフラの復旧には引き続き取り組むべきだ。

 しかし、これほど予算が余ってしまったのは、そもそも最初の予算が大きすぎたのではないだろうか。

 本欄「被害額6兆円で震災復興予算が23兆円のなぜ」(2011年11月16日)でも書いたように、東日本大震災の被害額は、民間資産4兆円、公的資産2兆円の、合わせて6兆円程度である。もちろん、この中には原発事故の被害額は含んでいない。地震津波は天災だが、原発事故は人災なので区別すべきと私は考えているからである。

 23兆円も壊れていないことは、被災地の自治体も認めている。

 農林水産業と公共土木施設などを合わせた被害額は、岩手県が7704億円、宮城県仙台市を除く。以下同じ)が1兆8135億円、仙台市が5451億円、福島県が5915億円であるという(各県市の復興計画の参考資料などによる)。

 宮城県の被害額が大きいが、これが過大な推計であることについては、前述の拙稿を参照されたい。宮城県の被害額が岩手県と同じであるとすれば、被害額の合計は2.7兆円である。農林水産業の被害額には多くの民間資産が含まれているので、公的資産の被害額は2兆円であるという私の推計は、そう間違ってはいないだろう。

つくったあとに損をする復興計画
 復興予算が巨額なものとなるのは、高台移転やエコタウンなど、あまりにコスト高の復興計画が含まれているからである。

 高台移転とは、三陸の山を削って高台を造り、そこに引っ越すという事業である。山を削るのも大工事だが、削った土を低いところに置いただけでは地盤が緩くてどうにもならない。杭を打ち、地盤を固め、上下水道、道路などを造ると、一戸3000万円の大事業となる。三陸の市街地の地価は、坪5万円程度のものである。100坪でも500万円しかかからない。そんな工事をするより、被災された方に500万円渡した方が良いのではないか。

 エコタウンとは、再生可能エネルギーという名の値段の高いエネルギーを使う街である。最初は補助金が付くだろうが、いずれは打ち切られる。住民は、国からの予算でそうしてもらっても、本当に得かどうか分からないと悩んでいるので、申請も進まず、予算も余るのだろう。

 阪神・淡路大震災でもっとも大きな被害を受けた長田地区で、新たに建てられた商業施設にテナントが入っていない。確かに、JR神戸から2駅の新長田駅のまわりの施設にはテナントが入っている。しかし、少し離れたところでは、シャッター通りどころかゴーストタウンになっている。あまりにも大きな施設を造りすぎたのだ。

 政府は、過去の震災復興の失敗から何も学んでいない。復興予算に盛られたプロジェクトそれ自体の価値を問い直すべき時だ。

※いやびっくりしたのさ。「りふれは」の「リフレ」が「竿だけ屋」で成り立っているってことが明確になった事実をどうマシナリさんが後日を書くかは楽しみではあるが、流石に、「緩やかなインフレーション」が、「復興を断念」しろ「復興は大都市に集中投資」論でしかなく、エコタウン批判に至っては「持続可能な社会」すら全否定で脱原発とか環境都市(スマートシティ・スマートグリッド等)でエコライフというのが、再生可能エネルギーの浪費でしか成り立たない「金持ちのための閉じた都市」との認識を有していることには、苦笑せざるを得ません。
 被災地の復興には一人当たり500万程度を配ってあとは自己責任という「シバキ上げ」には本性は隠せないものですね。
 「復興リフレ」を被災地にぶち込めという威勢の良い話も同程度の話だったんでしょうね。