津波被災の記録69

 一年と四か月めがすぎて、

田中秀臣 hidetomitanaka
濱口桂一郎が悪用している、震災の現場が、原田泰さんの本を「現場の感情を押しつぶす」ものとしてやり玉にあげてるという話題。原田さんの本を素直に読めば、復興資金をムダに使っている政府の姿勢に批判がいっているのは明白。そもそも復興資金が大半が未執行なこともその傍証では? 感情を悪用。

と、言われてしまいています。

現状は、

配置技術者不足が鮮明/国交省・被災3県の実態調査20120712建設通信

【専任要件1億に緩和要望も】
 東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)の復旧・復興工事における現場配置技術者の不足感が鮮明になってきた。国土交通省が3県内の企業を対象に実施した実態調査によると、2月時点で調査対象の企業に在籍する技術者の6割が既に現場に配置され、7割以上の企業から不足を懸念する声が上がっている。ただ、不足への対応をみると、社内技術者で可能な範囲で入札参加するとした企業が最も多く、JVなどを活用して対応する企業はほとんどない状況で、今後、さらに本格化する復旧・復興工事にも影響を与えそうだ。

 3県と仙台市では、配置技術者の専任要件の緩和や技術者に求めている3カ月の直接雇用関係などについて、既に独自の対策を実施。ただ、それでもなお技術者不足への対応は十分とは言えないため、共通要望として土木一式における技術者の専任を必要とする対象工事の請負金額を、現行の2500万円から1億円に要件を緩和するよう、建設業法の改正、あるいは復興特区の活用による実現を求めている。

 3県内においては、第2四半期までに発注済みの残工事および公表された発注見通しだけでも例年の2倍以上の件数となるなど、復旧・復興工事が本格化している。

 実態調査に回答のあった993社、技術者計約1万8000人の配置割合は平均で約6割。工種別に見ると、建築を除き、全体的に主任技術者相当の技術者の配置割合が高まっている。配置割合は主任技術者相当の機械器具設置が約81%、電気が約77%、土木が約67%。監理技術者相当では建築が約72%、電気が63%、土木が約60%などとなる。

 技術者の不足感に関しては74%の企業が感じていると回答。その際の対応として、約63%の企業が社内技術者で対応可能な範囲で入札参加すると回答し、監理技術者や主任技術者になり得る人材を採用するとの回答は約18%にとどまる。JVによる参加を検討する企業は、わずか1%の状況で、技術者不足へのさらなる対応策が求められそうだ。

 復興資金がどれほどあろうとも、建設業法によって公共投資の受注機会や労働者の保護と育成によって様々な制約がかけられています。デフレのもっとも恩恵を受けて賃金が半減した建設産業は公共投資批判により流失した人材を補うことができず世代間の構成をばらつかせ不安定ながらも人を維持し続けてきたわけです。今回の震災対応にしても多くの経営者もびくつきながら対応可能な範囲を模索しながら受注し、復旧・復興をしているわけです。

 「りふれは」が言うほど社会は簡単ではありません。

 「りふれは」が言う「そもそも復興資金が大半が未執行なこともその傍証では?」を解消する手立てはあります。
 ネオ・リベラリズムの求める「一括発注方式」=WTO 一般競争入札
 震災以前に民主党の議員が言う効率的な発注として分割発注批判を展開していました。
 公共投資の効率化のために「一括発注」すれば経費も入札の手間等も軽減できると。
 現在、多くの被災地で「一括発注方式」で「まちづくり」を再生する案が出ていますが、このような大規模なものになった場合、地元は元請け受注の機会は喪失し、三次下請けではいるのがせいぜいです。
 国内のゼネコン・商社・コンサル・デベロッパー等の単体・共同企業体や海外企業が受注することになります。受注後は資材発注を優先すれば数値の見た目上は、予算執行率が上がります。大半の国民の目を誤魔化すのは簡単です。
 「りふれは」の方達が、未執行を強調するのはそういう方向へ誘導したいとしか思えませんね。