津波被災の記録66

 岩手の被災求職者、就職面接ゼロ6割 元の職場の再開待つ?
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/06/20120616t32027.htm

 東日本大震災で被災した岩手県沿岸部の求職者の6割が就職活動を始めてから一度も面接を受けていないことが15日、県庁であった県経済・雇用対策本部会議で公表された。県は震災前に働いていた事業所の再開を待っている人が多いためではないかとみている。
 県は今月6、7の両日に沿岸部の職業安定所4カ所で求職者209人に聞き取り調査を実施。就職活動を始めてから受けた面接の回数は、0回が57.5%で最多だった。1〜2回は25.6%、3〜4回は12.6%、5回以上は4.3%。「急いで就職したい」と回答した人は54.7%で、希望する求人が見つからない現状が浮き彫りになった。
 会議では、建築・土木技術など専門職が人手不足になっている一方、求職者の多くは組み立て作業や事務を望んでいることも報告された。

2012年06月16日土曜日 河北新報

避難者の就労相談、北上で増加 職種の違いが壁に
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120618_10

 約580人の被災者が避難生活を送る北上市で本年度に入り、就労を目指し相談機関を訪れる人が世代を問わず増えている。避難生活が一定期間経過し、同市での本格的な生活再建を目指す動きとみられるが、内陸と沿岸の産業構造の違いによるミスマッチの発生や、相談に踏み切れないままの人も多いとされる。就労は生計の安定と社会参加につながり、関係者は「まずは相談してほしい」と訴える。

 ジョブカフェさくらによると、避難者の相談は新年度に入って増加傾向にあり、50〜60代の中高年の相談も予想以上に多い。相談員今野孝子さんは「働く意欲があっても、まだ相談などの行動に移せない人がいるのでは」とみる。

 北上公共職業安定所によると、被災し、同所管内で求職登録する人は約200人。管内の被災者向け求人180人(4月24日現在)のうち、約45%は製造業派遣が占める。避難者の就労が難航する理由として、水産加工業に従事していた女性の職種転換が図られにくいなども挙げられる。

(2012/06/18)岩手日報

※震災当初から予測はされていた事態で推移している。緊急雇用対策やCFW(キャッシュ・フォー・ワーク)で、雇用調整するには限界がある。労働者と言うものと向き合っていたら本当はその次の段階をどの時点で用意するかと言うことを議論する必要があったのだけど、肝心の復興ビジョンの策定が、大学の教授やコンサル等に振り回されて、大多数の人たちは「復旧・復興って必要ないよね」という声も出ている。現状を肯定する「幸福」をNPO等の「新しい公共」によって、植えつけられて動いているフリをしているのではないだろうか。
 
 内需拡大を支える労働需給改善 〜求人数を押し上げている消費増加と復興要因:Economic Trends
 では、「建設業の求人数の増加だけで、現在の求人増を説明するのは無理がある。産業別の有効求人数(パート含む)をみると、建設業は2012 年4月5.5 万人であり、全体の新規求人数70.8 万人に対して、7.9%の割合に止まる。」
 「建設分野以外で、復興事業の直接・間接的な影響が労働需要を生み出していることを示唆している。」

※実際のところ建設業への求人の話ばかりが報道され、仙台の国分町が賑わっているのはそういう間接的な波及効果(本来の「官から民へ」という二次波及効果ということ)によって、約60万人の雇用が創出されていることを何故報道しないのか。というのは甚だ疑念を抱くところではある。
 
 飯田先生等の経済学者にとっては「公共投資」は意味が無いものだから。
 戦略コンの方達は、復興はPFI(都市の金融商品化)に熱心だからその方達の御用でもしているのではないかと勘繰りたくもなります。

 “魚を売る”から“食文化を売る”へ【三陸漁師たちの新たな挑戦】
  エコノミスト飯田泰之氏×評論家・荻上チキ氏

 既存の地域共同体を破壊し「創造的復興」に勤しむ、りふれはの良心って何なのだろう。
 毎度のことながら、漁業生産組合方式やNPOコラボ6次産業方式で第一次産業の担い手は分裂状態で、補助金や支援を受けれる人とグループから村八分にすることが起きていることは目をつぶるんだ。商品を送付するときはヤマト運輸をすることになるだろう。支援と言う形は代償を求められるものだよ。何の思惑もないものなどないのに。
 それにしても、東京都におけるサービス業の廃業等は建設業よりも多いのが現状で、バリューチェーンのといっても、それはかなり有力な形態でないと大半は潰れているのではないか。何だか安易な六次産業化モデル実験をしているような感じを受ける。
 東日本と違い西日本的な産業モデルである六次産業を押し付けるのは文化の押し売りもいいところ。西日本の六次産業化にしても有力な資本との結合が大前提か協同組合の商社化によってでしか成立していない。ある一定のグループ化(企業体)が次のステージへ向かう際は大規模な資本増強と設備投資が必要になるのだが、そのファンド組成が真の狙いだとすると、気分の良いものではありませんね。