津波被災の記録63

 昨日からの雨で、増水による被害が出ている模様。緊急対応で対処しているし、消防団等の待機も出ている。340ミリもこの時期降るのは非常に珍しい。まるで天が「まだ自重しなさい」と言っているかのようである。エコとは常に危険というものを感じ続けること無しにはならないものなのだろうが、単純な利益獲得手法することに対する怒りだろうか。
 
 自治体に問われる「再生可能エネルギー事業戦略」:時事コラム (PHP総合研究所)
「買い取り価格が決定したとはいえ、主に大都市の域外資本が地方に高度かつ高額な再生可能エネルギー設備を納入、維持するだけでは、地元企業は活躍できず雇用も生まれない。」

 「脱原発」が、利益の垂直統合型の深化を目標とした再分配モデルの在り方であることより、水平展開分散型による表層のみを目的とした再分配モデルの在り方の提示であるならば、橋下大阪市長の「維新」「みんなの党」「りふれは」等のブレーンの方達や「脱原発」市民の方達は「異体同心」以外の何物でもないのだろう。
 被災地における「再生可能エネルギー」の展開は、被災地に雇用は生まず、既存地元企業はその利益に預かることはない非情なビジネスモデルであることを受け入れさせられるということである。これが、ソフトバンク等の自治体再生エネルギービジネスの根幹をなす事であり、自治体所有地を利用しても地元(但し、自治体の財源だけはあるが、それが維持コストだけにしかならないということ)に利益は殆どないことを噛みしめるべきなのだろう。

 これは地方自治体への融資が高い地銀等にとっては、融資返済の確実性の担保という思惑を肥大化させることが、地元企業への融資の縮小を拡大させることに繋がることになるのかは、もう少し見る必要があるかもしれない。
 「地公体向け融資が貸出金残高に占めるウェイトが高い地域としては、北海道(66.2)、東北(65.6)、南九州(59.9)の順となっている」

 デフレ継続の理由って、日銀、財務省を含めた霞ヶ関とその外郭団体を叩いても何にも変わらない。「古い公共」の再分配を「新しい公共」の再分配がとても克服できるものではなくて、下々の意識として「タダかタダに近いことしか受け入れたくない」ってのが現在の被災地での意識を見ている限りでは、「新しい公共」はデフレ意識を拡大・深化させる手伝いにしかなっていないと感じます。「復旧は3.11以前の状態に戻す事。復興はその後の持続可能な社会の構築」であるならば(それでないと、国民皆様の税金を使用した復旧・復興を汚すことになるのです)、自分は「新しい公共」は、被災地の人々のサステナビリティを奪って、「新しい公共」の奴隷と化して、自ら思考し行動することができないことになるような気がしてなりません。

 効率化される家計消費〜過去30年の年齢階級別消費パターンの変化 (大和総研)
 「約30年の間に生活水準が向上してエンゲル係数が低下するのは自然だとしても、合計で消費支出全体の20〜25%ポイントもの配分先が変更されたことになる。「家計消費の効率化」が今後も続くだろう。」

デフレは日銀の会議室で起こっているんじゃない!企業の現場で起こっているんだ!: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳) eulabourlaw.cocolog-nifty.com
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-f7a9.html
「いずれにせよ、日本が20年にわたる長期デフレから脱却するためには、企業が値上げのできる環境を作り出す必要がある。」


日本銀行が「物価安定の目途」達成のスケジュールを明示:Economic Monitor (伊藤忠商事) 「②日本国民のデフレ期待が根深い点を踏まえ、日銀のインフレ見通しから現実のインフレ動向が下振れるリスクは高いと判断」

 ザイムショウガー、ニチギンガー、カスミガセキガーと言ったところで、下々の要求と意識は、上記のとおりですから、民意を汲み上げた結果としての政策を立案せざるを得ないでしょう。政治によって、民意を修正することが必要なんです。そこから何とかしないと脱却なんてできません。それなのに、「脱原発」にしがみ付いて、むしろ「環境」「クリーン」のイメージで「持てる者」への権利を守る行動なんだろうと疑ってしまいます。「できん者はできんままで結構」評価するに当たらない人達を選別し、退出効果(大企業(大都市)は効率化したのに、中小零細企業(地方)は20年何もしていない。無用な産業(地域)。)を高めるためには、原発停止したいでしょうね。緩やかで(マイルドな)持続可能な成長(インフレ)社会なんてのは、そういう「努力した、出来る者達が居る場所」だけが享受するとしてか、考えてないもの。
 バブルを起こしても、儲けるは自分のもの、後始末は日銀の箪笥にしまえば後はなかったことに。そういう事だよね。
 だから「復興が遅いって言える」のは、誰にとっての「復興」なんでしょうね。