津波被災の記録50

 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110823/fnc11082303080000-n1.htm
 【経済が告げる】
 編集委員・田村秀男 増税は再生の道閉ざす 2011.8.23 03:08
 
 独立自尊の精神に燃える彼ら被災地住民を唖然(あぜん)とさせているのは、何とも不透明ながれき処理である。

 東日本大震災で生じたがれきの処理は被災自治体の要請に応じて国が代行する特別措置法が12日、成立した。最終的に費用は全額国負担となる。処理を急ぐ菅直人政権が、地元の見積もりを丸のみした。事業を管轄する環境省には処理コスト・方法を精査した形跡がみられない。民主党政権関係者も「がれき処理をこれ以上遅らせるようだと、地元や世論からたたかれる」と処理計画を査定する気がなかった。

 その結果、処理コストは阪神大震災の場合には、1トン当たり2万2千円だったが、宮城県石巻市で4万円、岩手県の一部では10万円を超す地域もある。「石巻のように、2400億円の処理費のうち1割、240億円を供託金として業者に義務づけているケースもある。これでは大手ゼネコンしか応札できず、競争原理が働かない」と地元関係者はため息をつく。

※でも増税と結びつけるのは些か強引のような気がする。
 東京等の大都市に本社地を有することは納税地も同じなわけです。被災地の公共事業によって、完成工事高と利益を伸ばせば、消費税と法人税等を東京等で納めることは自明のことです。で、それを回収して別の地方等に配分し直すために税金の回収効率を高める増税が何で悪いのかわかりません。皆様の税金を投資し運用し国債の利息を支払いながら、回収もすばやくというのは、投資効率からすれば凄く良いように感じますけど、民間なら褒められるような投資スキームが何で官はダメなのかよくわかりません。
 資金を回収させず、別の投資に流用したいというなら、その民間投資スキームのプロセスを開示するのも同様に必要なんではないでしょうか?
 
 確かに、現政権の政治手法が異常と感じるのは、意図的に遅くすることで、資本の論理による回復に格差をつけ、内需の在り様を改変したいというのが見え隠れするからです。
 時間を資本力によってカバーできない中小零細企業にとって、国の支援なしには時間を買えないのです。多くの中小零細企業の経営者が公務員叩き「霞が関」「地方公共団体」「関連団体」を叩くことは、自分達の復興の最大の障壁です。「古い公共」でしか、弱者は救済されない事を今一度確認し直す機会と私などは感じます。

 「がれき撤去」も大事ですけど、雇用の復興に地元企業が携われなかったり、復興を断念するほうが、深刻だと思います。震災後、がれき撤去の現状は書いてきていますが、これからが、復興予算の本体なのですから、この程度を吹き上がるようでは被災地投資批判するのはおかしいのです。今回、釜石市土地開発公社が発注する「解体工事」についても、市内業者よりも県外業者の方が詳しかったりします。岐阜県自治体職員が担当しているのだそうです。このことで、宮城県で問題になった解体工事業者(被災者や浮浪者をタコ部屋状態で使役)の様な方達が、下請けとして参入するために跋扈しています。1億数千万の見積りが5千万以下で下請するらしいです。
 県外の応援職員がどのルートへ見積り依頼を行ったかはわかりませんが、県外に流失した情報はダダ漏れの状態ですね。これは、ここだけではなく、他の派遣されている自治体でも同様なのかもしれません。これからの第三次補正予算の予算情報も流失しているのは確実ですね。ただし、被災地に情報が入るのは、直前になってから。情報が集積する都市部の優越的地位は盤石です。