津波被災の記録28

 震災による津波により壊滅した市街地から無傷な市西部の賃貸住宅や店舗が枯渇するほど埋まった際に、賃貸料が高騰していることはメディアが取り上げているところは無い。
 築年数も古く今まで月2万円でも入らなかったところへ6万円で入ったり、不動産業協会が手数料無料でとか言っているけど、5カ月分を要求されたりとかの話はあったんだけど、協会全体でどうしてんだろう。隣の遠野市NPO自衛隊を含め一大支援基地として機能した反面、沿岸部からの賃貸住宅への入居も多かった。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011051790071004.html
 住田町の仮設住宅建設の話は、「専決の良い例」としている方達が多いことを見ていると、基礎自治体のシビアな面も浮き彫りになったように感じられる。被災者を受け入れる基礎自治体が全国から手を挙げているけれど、人を集めることが今の基礎自治体にとって最大の課題である以上、被災地から移転した人達が戻ることはまずない。子供の進学等の要因が縛るのは今までもあったわけで、子供のいる家庭が出ていくことで、コミュニティの継続性が弱まる。
 未だに学校等の再建の時期が明示されない以上、一人また一人この地を去っていくだろう。
 復興会議を含め遅々として進まぬように見えることで、絶望を次々と与えていただく知識階級の皆様のご配慮には只々頭が下がる。

(追記)
 賃貸住宅の家賃補助約6万円を目当てに便乗値上げが行われている実態を県は把握しているのだろうか。また、はてぶで仮設住宅は建てなくても空いている賃貸住宅の活用を唱えていた方達は、この現実をどのように見ているのだろう。この後、様々な角度からの検証が必要となるけど、「火事場泥棒」の何と多いことか。

(追記2)
復興計画 岩手県、地に足を着けて 宮城県、大胆な発想重視
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/05/20110518t11019.htm
達増拓也知事の「答えは現場にある」との持論が色濃く表れた。県政策地域部は「現場の声を計画に反映させたい。地味だが一つ一つ課題を解決していく『積み上げ型』の手法だ」と強調する。
 宮城の震災復興会議は、議長に元東大総長の小宮山宏三菱総合研究所理事長が就いた。委員12人のうち県内在住者はわずか2人。寺島実郎日本総研理事長らが名を連ねる。
 「派手」な陣容は村井嘉浩知事の「地球規模で宮城の将来を考える」という意向を踏まえた。県震災復興・企画部は「単なる復旧でなく、県土の再構築を目指す。日本を代表する有識者の大胆な発想が不可欠」と訴える。

 岩手県知事を批判することも書いたけど、これは評価したい。ただ末端(被災地)と県庁所在地の温度差がどのように表れるか注視は必要。
 宮城県は大都市病というべきものから目覚めていない。としか感じられない。というよりもこの知事の政策ブレーンと思想的背景等を含め、知識階級の方達が、東日本大震災を「最後まで 決してあきらめない!! 自分達の理想とする社会と利益の再構築を最大限優先する」ということの、決意表明をしたことに恐ろしさを感じたのは自分だけだろうか?