津波被災の記録103

グループ化補助金6次申請 宮城、中小に要件の壁

 東日本大震災で被災した事業所向けのグループ化補助金6次申請で、宮城県は東北の被災3県で唯一、実際の補助額が予算枠を下回る公算が大きくなっている。岩手、福島両県は予算超過が確定的となり、補助決定を待たずに予算の増額方針を固めたが、宮城は要件を満たせない中小グループの割合が高いという。
 現在審理されている6次申請は前期、後期の2回に分けて募集され、前期分は1月中旬に交付額が確定した。
 宮城県には、前後期の重複分を除いて102グループ854億円の申請があった。前期分を見ると、89グループ793億円の申請に対し、補助決定は44グループの570億円止まり。後期申請分191億円を足しても、825億円の予算内に収まる見通しとなった。
 宮城の補助決定が低迷する背景には、被災企業の多さに加え、「地域経済・雇用への貢献」といった厳しい制度要件がある。各地の商工団体はグループの構成事業者を増やすなど知恵を絞るが、認定レベルまで底上げするのは難しい。県新産業振興課は「復興事業計画の再検討を促し、一つでも多くの事業所を救いたい」と話す。
 石巻商工会議所の担当者は「補助要件の緩和など、中小事業所にとってより良い方向に制度を見直してほしい」と話している。

 一方、岩手県は国費と合わせて97億円を予算化し、前期分だけで総額69億円の補助が決定した。後期は33グループから114億円の申請が集中し、残額での対応が難しくなった。
 最大140億円で対応する予定だった福島県も、後期に42グループ130億円の申請が殺到した。前期分で補助決定した29億円を加えると、予算超過は不可避となった。
 グループ化補助金は新年度の政府予算案に盛り込まれ、津波被災地を対象とした制度に改変される予定。
[グループ化補助金] 被災企業の施設、設備の復旧支援が目的。被災した中小企業がグループを組んで復興事業計画を立て、地域の経済・雇用に重要と認められれば、最大で復旧費の75%が助成される。
◎7次募集は15日まで
 岩手、宮城、福島の3県は現在、グループ化補助金の7次募集を行っている。締め切りはいずれも15日。大企業もグループ構成員で参画できるが、補助対象にはならない。各県の審査でグループを認定した後、3月下旬に国が採択事業者を決定する。補助総額は未定。


 構成員(補助金対象事業所)だけではなく、参画者を単に増やすことを「グループ化」であると勘違いしているコンサルタントが混乱をさらに拡大させる。「共同事業」に本当に参画できるのか、出資金や会費等の運営費も負担可能なのかが全く説明されていないのが現状であろう。それにしても「グループ化」=「集積」とは、参画者を闇雲に集めて署名をもらうことではない。『「集積」の本質は、関係者が一致協力し、連帯意識を持って取り組むチームワークにある。』よりも、米国の協同組合をゲーム理論に基づく新古典派的協同組合理論(付加価値の追求による出資割合に対する剰余の配当)に導くようなものがあるため、構造改革が単純な見方が危険な所以だろう。ただそこまで、中小零細事業主が理解しているとは思えないから1ヶ月程度での申請に批判しているが、今回は説明会から1週間程度は酷いとしか言えない。
 日本共産党NPOを利用した農林水産業ファンド組成(震災支援も含む)と出資者(支援者)への配当は、米国新古典派的協同組合理論そのものではあるが、協同組合でさえこの有様であることから、労働組合の剰余配当に対する要求に応えるために収益事業を強化せざるを得ないことなんだろう。


社説:農業ファンド 国の口出しは最小限に

狙い通りに市場原理を働かせるには、民間にフリーハンドを持たせることが重要だ。ところが、支援機構の根拠法を巡る国会審議では逆に、国の関与が強められた。自民党などから「企業主導で農家が犠牲にならないように」といった注文がついたからだ。

 リベサヨな毎日新聞のご見識からすると、構造改革規制緩和して、協同組合・労働組合等も剰余の配当に勤しむべきなんでしょうね。そういうことに対して一定の抑止をすることがお嫌いのようです。