呼び出しへの感想2

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災害復興:巨額投入でゴーストタウン
カテゴリ[科学に佇む2011年] 2011/05/05

『 減災政策論入門:巨大災害リスクの政治判断と経済 』 の続きです。
 今回のお話は、ちょっとした怪談です。

■ 地域復興に巨額を投じたのに、かんじんの住民が戻ってこなかった…!!

■ グローバル化がはばむ経済復興

■ 復興需要に頼りすぎると逆効果

■ その後の需要に見合わない計画で街を作ってしまうハメに

■ 被災地がゴーストタウン化する要因はこれだ

■ 慌ただしい中、地元住民が昔の立場を失ってしまうハメに

■ 復旧したくても、復興で我慢?

id:maturi 併せて読みたい  hahnela03 2011/06/05

 えーと。建設業にたいする復興需要というものが短期的であるのは指摘される通りです。津波で湾口防波堤や防潮堤は役に立たなかった論は、現在までと今後の同様な生活を維持し得るのに役に立っていたことと津波に堪えられなかった話は、別個に議論すべき話しです。津波に堪えられなかったから無駄な投資というのは極論でしかなく、そのような議論をぶつ方のメンタリティがおかしいのです。
 防災という部分では役に立たなかったかもしれませんが、減災という部分では「6分」という時間の価値と生き延びた人の値段が都市部の方達の言う税金の価値に見合ったのかという検証は専門的な方達だけでやるか納税額の多い方達だけでやればいいのでしょう。
 「命の値段」を自分で付けるわけには行けませんから。
 ちなみに湾口防波堤が完成して撤退した某ゼネコンは事務所構えましたよ。復興特需で利益を得るのは被災地住民という考えは短絡的な見方ですよ。

 阪神大震災中越地震の際も、復興需要の大半は大都市圏に本社があるところへ還元されています。被災地には正味の人件費しか残さないということが復興の足かせになったこと、自主廃業に向かわざるを得ないのは、需要と供給も同時進行で復旧させつつ失った分の雇用を維持し、「失った資産」を回復するためにも、きちんとして利益配分が成されないことにはならないにもかかわらず、それらがなおざりにされているというのは、当初から感じていたことでもありますから、「皆様方の適切な再分配」へのご理解を頂きたいところではありますから、本ブログを書く最初に書いた次第です。ですが、現在の政権・県・市町村並びに民間資本の動きは悉くそれらに反するということは、彼らにとって最も利益を生みやすい環境整備を取っているだけの話(決定する知事・市町村長への提言だけが通っている)で、最終的利益享受者たる大都市圏に本社(納税地)がある方達の利益のための復興であって、被災者のための利益ではありません。
 残った建築物・構造物を指さして「田舎者は分不相応」と言いますが、最終利益者の在り方とそれに利する旧帝を含めた大学の研究者の姿勢を本来は糾弾するべきなのでしょうが、田舎者を叩いたほうが楽ですし、碌に反論もできない馬鹿としか思っていませんからね。

 コミュニティの継続と系譜(財産権)の連続性の確保という部分からもありますが、被災した住居に住まなければ難しいのです。ですから岩手県の場合のように無制限の建築制限というのは、「安全確保」という名の、「コミュニティの根絶」「強制移住」という姿勢を掲げていることに恐怖を感じざるを得ません。住民の離散を促し、盛岡市奥州市等への誘導に熱心で被災地を復興する気が感じられないのです。
 防災に強い街づくりというのは住民のためにはならないと感じます。今回の「新しくない公共」がここまで弱まってことをどのように補強し手当しつつ、「避難」と「再建」がしやすい構造が重要なんでしょう。

 http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1630565.html
 「ここに居れば3食出る」 仮設住宅当選も避難所(温泉旅館)に居残り…一方、入居切望する多くの落選者

 ブクマでも叩かれていますが、「再建」という「希望」が無い以上、すがるしかない部分もあります。でも、このように行ける人と生活基盤が壊れて人との間の苛め問題が公に語られることはありませんが、自分達以外の被災者が避難所(温泉旅館)に行くと、市へ「関係ない人が来ている出ていかせろ」というのがあったりしてます。地元に居る被災者にも温度差があるんですよ。

(追記)
 南三陸町としては、仮設住宅に(優先的に)当選させているのは、その後の基礎自治体運営とコミュニティの継続ということでもあるのも理解できる。ただ、そういう部分も見ずに短絡的な思考によって、「同情しない」というのは筋違い。今回の震災は多面的な視点で見ることを養うことと、被災者というものの取り扱いについて様々なものが見られることでしょう。