津波被災の記録35

 http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110530_14
抽選せず地区ごと入居推進 仮設住宅宮古市

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 宮古市は、仮設住宅の用地確保と入居者選定に苦心している。約2千戸を目指す候補地は市街地を中心に63カ所に分散し、他の自治体に比べて住宅街にある小規模公園への建設が目立つ。住み慣れた地区ごとにご近所入居を推進するため、あえて抽選も採用しなかった。公園活用の狙いは、長期化が予想される仮設暮らしを支える従来のコミュニティー維持がある。

 宮古市中心部に近い田の神公園。6月上旬完成を目指し1棟6世帯が入る仮設住宅2棟の建設が進む。滑り台など遊具のそばに住宅が建つ。

 同市の特徴の一つは街区公園(児童公園)への建設だ。今月26日現在、63カ所のうち街中の公園が約20カ所を占める。多くが1カ所に10〜20世帯。仮設住宅が立っている間は公園機能を休止する。

 公園活用は、高齢者の孤独死などが問題になった阪神大震災を教訓に「コミュニティーの維持・形成への配慮」を重視するからだ。

 市が掲げる原則は▽地域一括▽被災地近接▽世代間融合▽通学の利便―など。孤独を感じることなく安心で快適に暮らしてもらうため、可能な限り被災前の住居近くで地区ごとに割り振る意向だ。

 同市は、津波被害を受けた他自治体同様、浸水地域近くにライフラインが確保可能なまとまった仮設の適地は少ない。約400戸の「団地」となる同市田老のグリーンピア三陸みやこは例外だ。

 広大な用地として小中学校の校庭があるが、教育施設はできるだけ使わないとの方針。大規模化は互いの目が届きにくくなるとの理由もあり、校庭活用は5校だけになった。

 同市鍬ケ崎地区のように希望戸数に130戸ほど足りないところもある。同地区は近くの高台にある浄土ケ浜第3駐車場も活用しているが、不足分は利便性の高い市街地の小規模公園で補う予定だ。

 まだ完成と入居完了は6カ所422戸(26日現在)。市は抽選せず、被災者の希望地を基に入居意思を一件一件確認している。

 仮設住宅の全戸完成は7月中旬予定。市は「今後数年間の暮らしやすさを考えれば選定に時間を費やしたい。入居遅れへのご批判は覚悟している」(滝沢肇市建築住宅課長)と慎重に作業を進める。

(2011/05/30)

 釜石市の場合、抽選方式をとっているが、不透明という話というか、今後このような場合他の地域でも起きる話なので、その時は改善してもらいたいので書いとく。
 当選者が偏っているという話はまことしやかに市民間に流れている。避難者が市庁舎で罵詈雑言や当り散らすと数日後には当選するとか、一部の有力者には優先しているということで、この記事を見た際にため息が出た。
 抽選に当たった避難者が入居して、電化製品を売り払う話とか、自立して食い物買うのが嫌だから、避難所に戻る人や仮設住宅に実際に入居しても出ていく人がいるのが実情だ。
 それと避難者の金銭的困窮の話は一部でしかなく、全体としては預金等は無くなってないから、義援金等で「金がたまってしかたない」と、言う人も多く、むしろ家は残ったけど、失業し支援も来ず預金を取り崩している人達のほうが悲惨な生活を余儀なくしている。メディアはそういう人たちには、冷酷なほどの扱いで報いてくれる。絵にならないから。
 社宅で、家電製品が赤十字からもらえないという方を取り上げる毎日新聞の記事を読むと、「かわいそうだ」というブクマが見られる。記事だけを読めばね。でもね、釜石市で5階建ての社宅を有するのは、新日鐵JR東日本東北電力だけ、なんですけど。ある程度資力のある子供達の助力や連合等からの支援が受けられるでしょ。というか組合員の家族へは連合が直接支援して、他に回すようにして頂きたい。
 あと、中小機構の仮設事務所等に被災事業所以外の市外・県外業者が提供をもとめているとか。呆れてしまったよ。そりゃ、スピード感のある復興する気が感じられなくて当然だ。全てを被災地以外へ流失させようとしている国と県と他の市町村と民間の波にさらわれてしまうよなあ。生き延びれるのかなあ。