津波被災の記録18

 28日に下請並びに資材業者への支払いをセット。とりあえず請求書を再発行して頂いたところへの支払いがほほすべて完了。まだ一部の業者からは連絡が取れない。今後も残るだろう。
 震災後の2回目の給料の支払いへ。前回は現金支給ではあったけど、避難所等で生活している社員から振り込みを希望される。(安全のため)
 まだ預入の手続きは復活できていない。郵便局の再開待ち。

 仮設住宅建設への請負について、リース会社から打診があるが、断ることになるだろう。地元の大工さんたちへ打診するも良い返事がない。問題は賃金の支払い条件と金額が不満だということに尽きる。昨日のはてブで、韓国建設会社がプレハブ建設経験者の募集をしてたという話がでて、月給30〜49万円とのこと。国内のいや被災地に提示されている賃金より高いじゃないか。これは一体どういうことだろうか。プレハブ建築協会が国から一括していかなる労務単価の設定で請け負っているのか、これは外国の建設会社が請負うことが悪いという以前に、国内の大企業であるプレハブ建築協会の会員と発注している政府と議会のチェック機能が働いていないことが問題だろうし、こんな賃金格差と被災地復興が見事にかい離しているのはなんなのだろう。
 「被災地に雇用は必要ない」「経済活動など必要ない」という声がでるのは被災地とは関係のない「経済活動の自粛反対」というところの方達にとっては、ごく自然な感覚なのだろう。

 業者の方から、千葉方面の中小企業で、新卒者並びに今回の震災で待機になっている高卒者を中心に雇用して頂いているという話があった。この時点で有難いご支援を頂戴している。若年層の将来が閉ざされることへの懸念があったけど、「復興して、地元に帰れる時が来たら戻りなさい」とも言っているそうで、雇用のみならず技術等の取得に当たらせていただけるそうで大変ありがたい。また、今年の新卒者だけではなく昨年等の卒者も対象としていただけているとのこと。
 有難すぎて、涙がこぼれる。
 ただ、市の対応が、新卒者や既卒者に「がれき撤去」の仕事があるからと引き留めている話があったことには、疑念がのこった。瓦礫撤去作業は精神的に辛いのだ。将来がある人たちを毎日あの現実に向き合わせ良いものなのだろうか。社員の中にも精神的ダメージを受けている話を聞くにつけ、震災前との業務と組み合わせることが必要なのだろう。平常の発注と停止していた業務を再開しないと、精神的軋轢の対立が現場でおきるだろう。
 自分が今居るところは、震災前と変わらない風景で、震災があったことが本当かわからなくなることがある。それでも一週間に一度、帰宅するさいにみる手付かずのあの光景が目に入ると胸が締め付けられる。