津波被災の記録49

 釜石市の市議会選挙は、9月11日投票で決定。選挙用のプレハブ事務所を建てる民主党の議員もいれば、「地元の建設業者はダメだ。復興は、ゼネコンに遣らせろ。」と市長に決断を求める自民党議員という有様で、市民の皆様に置かれては、優秀な市議会議員達を得ていることには大層心強いことでしょう。
 復興は他人任せ、経済振興も放棄し、選挙活動だけに勤しむ姿をとくとご覧あれ。
 東日本大震災津波被災)後の、市議の対応の酷さなどどこに行ったのやら。議席も少し減り、支持者も減り、市民の皆様方の視線もいつになく厳しいか、呆れて投票率が一気に下がるか見ものではあります。
 現在、民主党の実行力の無さというより、利益に忠実すぎる対応により、復興が遅々として進まないことも含め、選挙があれば政権与党から転落するのは確実な情勢ではありますが、地方の自民党組織もボロボロですから、中々難しい情勢なんだと思います。

 釜石市における自民党支持者も市議同様、「地元建設業者はダメだ!!ゼネコンに委ねるべきだ。」という提言をされている方達が水産業関係者からも出ています。また、水産加工会社は民主党支持者で構成されていますが、岩手県知事の二言目には「大連に進出」というお題目と、外国人(中国)研修生の2年後を目途とした再利用を公言してはばかりません。ということで、ある程度の復興の道筋ができても、残った住民の生活が向上することは無いのが確実です。 
 
 福島第一原発の影響なのか、「SMC 株式会社」の工場新設の話がまた出るようになりました。当初の予定地を嵩上げするか、奥という話。これも横断道接続が実現しそうになったこともあるのでしょう。
 ネオリベによって礼賛される、矢祭町の企業誘致姿勢というものが、みのもんた(TBS系列)等によって、連日のように放送されている時期の誘致合戦の競争相手は、釜石市だったこともありまして、地方に住み働くことがどれほど、大都市の大資本に屈さねばならないかということを知らしめたこと、メディアというものが当時、ネオ・リベラリズム批判を転換しながら当然のごとく、地方に対してネオ・リベラリズムの奴隷となることを推奨していたことには政治学者も含め指摘する方は殆ど皆無というのが実態でした。

 メガソーラーや企業誘致にしても、「官民ファンド」「PFI」「特区指定による税制優遇」「国からの補助金支援」といったものを要求されますが、企業の投資リスクを下げるためには「無駄遣いを減らす」=「大企業への補助金支援の増額」、「投資ファンド」による「行政サービスの売買」=「住民居住コストの増」→「自己責任な住民自治でコスト低減努力」というものが、セットなのです。「選択と集中の効率化」とは、そういうことです。
 税金で賄われる方が、優秀な人材を安く利用しているというのが、本来、国民が認識すべきことですが、地方公務員のうち特に市町村職員の場合、小中高の成績や評価というものが、一生続くというかそれを基準として思考する風潮からの脱却が成されないという負の面が、ネオリベの要求を吞み易くしているのではないかと感じます。

 この辺りは、

 http://d.hatena.ne.jp/jura03/20110805/p1
 今日の雑談 2011-08-05ネット○○派 part267 ネット○○派の共通問題

 リフレ派がいろいろ終わってるのは震災後に脱原発(反原発のほうが近い?)のスタンスを取ってしまったことで、そりゃ経済学の人たちなんだから当然経済的合理性を優先させたポジションを取るものだとばっかり思っていたんだが、そうはならなかったあたりがね。
つまり、経済的合理性よりも、官僚・霞が関悪玉論のほうが優先されるんだということが明らかになってしまったわけで、、、あの人たち、日ごろはやれ経済学も知らない連中がだのデータも提出せずにだのなんだの言うわりに、結局官僚に対するルサンチマンのほうが大事なんだから、経済学だデータだって話はほとんど無駄だと言わざるを得なくなった。
こうなると経済学だのデータだのというのは、見掛けそれっぽく見せる装飾にすぎないのであって、ルサンチマンを正当化させてくれる理屈だったらなんでもよろしいわけだ。

 高い知性を誇る方達であっても同様であるようです。

 単純な官僚批判をして、「生きるためのコスト」を引き上げる努力を無駄にすべきではないと感じます。 「エコタウン」にしても、生活維持コストが高い都市環境整備をすることが、大企業としての実績を国内で積み上げ、海外の新興国の都市開発事業(PPP・PFI)の参加条件をクリアすることが目的です。インフラ輸出と繋がっている話を被災地を利用しようというだけです。
 シンクタンク「東日本環境防災未来都市研究会 東京大学教授宮田秀明」の「ギガソーラー」を、東北の地を選んだのは“産業復興”という意味合いが強い。「1GWh規模からスタートすれば年間300億円の売り上げ、約2000人の雇用を生み出せる」といいますが、地元の雇用にはつながりませんね。東大の収益確保事業というだけです。